レベル1 クリスマス アーカイブ
仕立て屋のヒミツ
仕立て屋のヒミツ
語り:この お話は、はるか 昔の フィンランドの ヘルシンキという 街で 始まります。季節は 冬。ヘルシンキは 日照時間が 非常に 短いため、寒さの きびしい 所です。職人は 仕事場の 暖炉の 前で 働き、主婦たちも 急ぎ足で 買い物を する時以外は、暖かい キッチンに こもりっきりでした。
少年:ねえ、ママ。あの おじいさんを 見て。ゴミ箱の 中を 見てるよ。
母親:ああ、あれは かわいそうな クロースじいさんだわ。悲しい 身の上なのよ。昔は、街でも 最高に 腕利きの 仕立て屋さんだったの。だけど、服が あんなに ぼろぼろで、ひげも くちゃくちゃじゃあ、クロースじいさんだとは 見分けも つかないくらいだわ。
少年:何か してあげられないかなあ?
母親:おそらくは 無理でしょうね。ひどい 感染症の 流行で 奥さんと 二人の 子供達を 亡くしてからは、仕事も しなく なって、人生を あきらめて しまったのよ。だれかが 助けに なろうと しても、受け付けて くれないの。今は ただ、うなだれて、あてどもなく 街を うろつきながら、ゴミ箱の 中に 残った 食べ物を あさるだけなのよ。さあ、いらっしゃい。暗くなって きたから、帰らないと。
語り:夜に なると、クロースは 何も ない 寒い 作業場へ 帰り、その日 かき集めてきた わずかな 食べ物を 食べ、粗末な ベッドで 死んだように なって 眠るだけでした。
クロース:ああ、神様。私は、さびしくて 死にそうです。妻と 子供達に 先立たれては、一体 何のために 生きる ことが できましょうか?
語り:けれども、クロースは 一人ぼっちでは ありませんでした。天国では、クロースの 亡くなった 妻の ガートルードと 二人の 子供達が、クロースを 見守って いたからです。
子供1:かわいそうな お父さん。ぼくたちの ことを、すごく恋しがってるよ。
子供2:何か してあげようよ。
母親:もう ずっと、お父さんに 愛と はげましの 言葉を ささやいて いるのよ。だけど、あまりにも 心が きずついて しまって、私の 声が 聞こえないの。
子供1:だけど お母さん、何とか して お父さんを 助けて あげないと。
母親:そうね。もう 何度も、神様の 前へ 行って、お父さんが 正気を 失わないように お願いしているの。そのたびに、神様は はげまして 下さっているのよ。
子供1:神様は、何て おっしゃったの?
母親:神様はね、時が 来たら、黒雲に 包まれた お父さんの 心に 希望の 光が 差し、生きる 目的が 生まれるって、約束して下さったの。その時が 来れば、お父さんは 自分の 悲しみから 目を 離し、他の 人達の 必要に 目を 向けるように なるって。神様が お父さんの 人生に 奇跡を 起こして下さるそうよ。
語り:ヘルシンキでは 寒さが きびしいため、外に 出て 近所よりも 足を のばして 遠くに 行こうと 思うのは、子供達くらいです。子供達の 大好きな 「おもちゃ通り」へなら、近くても 遠くても、お構いなしなのです。そこには 有名な おもちゃ屋さんが 並び、どの 店にも、思わず 目を うばわれるような 見事な おもちゃが、所せましと 並んでいます。
クロース:ああ、子供達を 見るたびに、自分の 子を 思い出してしまう。本当に いい子達だった。いっしょに いて、とても 楽しかった。今でも 生きて いたならなあ。
語り:ある日の ことです。クロースは、自分みたいに 服が ぼろぼろの 少年に 目が 留まりました。その子は、おもちゃ屋さんの ショーウィンドウの 中を じっと 見つめていました。目に 見えない 霊の 世界から、クロースの 妻 ガートルードが、クロースの 耳に ささやきかけました。
ガートルード:クロース、クロース。あの 少年には、あなたが 必要よ。
クロース:おやおや、どうして 泣いているんだい?
少年:ぼく、うちが すごく 貧しいんです。あんな おもちゃは とうてい もらえないと 思うと、悲しくて。
語り:それを 聞くと、クロースの 目に なみだが あふれて きました。けれども、今度は 自分の ためでは なく、この 少年や、同じように 貧しい 何百人もの 子供達を 思って、なみだを 流しているのです。人のために なみだを 流すのは、一体 何年ぶりの ことでしょうか。歩いていても、その 少年の 姿は 頭の 中に 焼き付いて 離れませんでした。
語り:気が 付くと、いつの 間にか、クロースは 町外れの 小さな がけの 下に 来ていました。そこは、人々が いらない 物や ゴミを 捨てに 来る 場所でした。
クロース:自分でも 分からんが、今日は 久しぶりに、何だか 希望が わいて きたような 気が するぞ。うわあ! 何じゃ、これは! こんなに たくさんの こわれた おもちゃが 捨てられているとは。あそこの 木の 人形は バラバラで、まるで 役に 立ちそうには 見えないが・・・
ガートルード:クロース、バラバラに なった 部品を 手に 取ってみて! 元に もどせるわよ。
クロース:おや? 気の せいかな? 今、人形が 目を 開けて、わしの 方を 見たような 気が するが・・・。
人形:生き返らせてくれて、ありがとう。
クロース:お安い ご用さ。・・・待てよ! 人形と 話してるなんて、わしは どうか しちまったのかな?
語り:クロースは 人形を がらくたの 山に 放りこみましたが、その しゅんかん、深い 悲しみに おそわれました。それで また 人形を 拾い上げると、再び 心の 中が 安らぎに 満ちた 幸せな 気分に なりました。
クロース:不思議な ことも あるもんだ! おや、うでの 取れた クマの ぬいぐるみも あるぞ。ここに ある こわれた おもちゃを 直して、今日 会った 男の子みたいに 貧しい 家庭の 子供達に あげられたら いいなあ。きっと、大喜びするぞ。だが、わしみたいな 貧しい 老いぼれに、一体 何が できると いうんだ? 第一、直すための 道具が ないじゃ ないか。針や 糸や はぎれも ないしのう。
ガートルード:神様は、どんな ことでも できるのよ。神様が 導かれる 所では、必要な 道具も 供給して下さるわ。周りを よく 見て。
クロース:辺りに 散らばっている がらくたを 探せば、何か 見つかるかも しれんな。ふ~む、古い 木箱か・・・。つぶれて 使えそうに ないが、まあ、中を 見てみよう。おや! 道具が いろいろ 入っているぞ! おもちゃを 直すのに 必要な 物が、みんな そろってるじゃ ないか。裁縫道具一式に 各種の 針、それに 糸の 色まで そろっておると きた! 道具は 古いし 少し さびておるが、みがいて とげば、新品同様に できるさ。そうだ! 見つかる 限りの おもちゃを 全部 かき集めて 持って 帰ろう。それを 直して、貧しい 子供達の クリスマスプレゼントに しよう!
語り:天国では、ガートルードと、彼女を 手伝っている 天使達が みんな、大喜びしました。
ガートルード:神様の 約束が、ついに 実現する 時が 来たわ!
語り:クロースは、時間を おしんで 働きました。数日 かけて おもちゃを 集め、町の 貧しい 子供達が どこに 住んでいるかを 注意深く 調べて、一つ一つ 手帳に 書き留めました。その後は、来る日も 来る日も おもちゃを 修理して 過ごしました。やぶれや ほころびは ぬい付け、はがれた 所は 接着し、詰め物を 詰め直したりも しました。
クロース:いよいよ あと数日で、クリスマスだ。貧しい 家庭の 子供達に おもちゃを 届けないと。早く みんなを 幸せに してあげたいのう。
語り:クロースの 心は、喜びで 満ちあふれました。クリスマスイブには、すてきな おもちゃで いっぱいの 大きな 袋が 7つも 仕事場の 床に 並びました。いよいよ、手帳に 書かれた すべての 子供が、プレゼントを もらえるのです。
クロース:だが、どうやって 子供達に おもちゃを 届けよう? わしからの プレゼントだと 思って ほしくは ない。これは、神様の 心からの 愛の おくり物なのだから。
ガートルード:クロース、変装して、夜に こっそり 届けるのよ!
クロース:そうそう! 真夜中に なったら、昔 うちの 子達を 乗せて 引っ張っていた、あの 大きな ソリに 荷物を 乗せて 行こう。
語り:それで クロースは、雪の 中を、おもちゃで ずっしりと 重くなった ソリを えっちらおっちらと 引いて行きました。通りから 通りへと 行きめぐりながら、クロースは 貧しい 家庭の 玄関先に 包みを 置いていきました。それぞれの 包みには、その 家庭に いる 子供達のための おもちゃが 入っています。また、「愛をこめて、天国の神より」と 書いた メモも 付いていました。
語り:ついに、クロースの 心は 安らぎで 満たされました。クリスマスの 朝に なると、目を 覚ました 町中の 貧しい 人達が、すばらしい おくり物を 手にしました。
父親:おや! 子供達のための おもちゃだって! 神様、奇跡を 感謝します!
幼い少年:うわあ! おもちゃだ! すごい 奇跡だ!
母親:一体 どうしたのかしら! でも、子供達が 喜んでいるのは、とても うれしいわ。
幼い少年:天国からの プレゼントだって!
年長の少年:雪を かぶった おじいさんが 包みを 届けているのを 見たって、だれかが 言ってたよ。
少女:なぞの ソリに、大きな 袋が たくさん のってたそうよ。
語り:その後 クロースが どう なったかと いうと、彼は 次の 年も、こっそりと こわれた おもちゃを 集め、直していました。クロースは、本当に 幸せでした。そして クリスマスが 来ると、クロースは またもや 貧しい 子供達の 家庭を 回って、ひそかに おもちゃを 届けたのです。
語り:そして ある夜、おそくまで 働いた クロースは つかれ切って、クリスマスの 朝、静かに 息を 引き取ったのでした。町中の 人達は、彼が いなくなった ことにさえ、気付きませんでした。けれども 天国では、実に 盛大な 歓迎パーティーが 開かれていました。クロースは 妻と 子供達に 再会し、天国全体が 喜びに わき上がりました。
ガートルード:クロース、あなたを 本当に 誇りに 思うわ。
語り:神様が クロースに 言いました。
神:実に よく やってくれた。だが、まだ 仕事は 終わっては いないぞ。すべての 子供達に、わたしが 愛している ことを 知ってほしいのだ。手伝って くれるかね?
語り:クロースは、今まで 夢見たことも ないほど 幸せな 気分でした。ガートルードが 自分のために してくれたように、クロースも、世界中の 子供達の 心に 語りかけ、はげましの 言葉を かけて、神様の 愛を 伝えるために できる限りの ことを し始めました。そして、子供達が 神様の 愛を 知って 幸せに なると、クロースの 心も また、新たな 喜びで 満たされるのでした。
終わり
デレック&ミッシェル・ブルックス著「クリスマスのヒミツ」からの編集 絵:ヒューゴ・ウエストファル 彩色:アナ・フィールズCopyright © 2001年、オーロラ・プロダクションズAG、スイス 不許複製 掲載:マイ・ワンダー・スタジオ
紙工作:キリスト降誕オーナメント
紙工作:キリスト降誕オーナメント
用意するもの
・はさみと穴開けパンチ
・スティックのりか木工用ボンド
・金属の定規(真っすぐに切ったり線を引く時に使う)
・インクのなくなったボールペン(折りすじを付けるため)
・カッターナイフ(もしあれば)
必要な材料
・厚紙
・カラフルな紐やリボン(オーナメントごとに各20cmくらい)
・両面テープ(もしあれば)
印刷
オーナメントのページを厚紙に印刷する。
カラー版を使う場合は4~6ページ、自分で色を塗る場合は白黒版の7~9ページを印刷する。
切り抜き方
・厚紙のピースは通常、2回に分けて切る。
・最初は、他のピースと切り離すだけ。この時は、まだ輪郭の実線の通りには切らない。
・各ピースが切り離されれば、他のピースを気にすることなく折りすじを付けることができる。その後に、最後の細かい切り抜き作業をするのが最善。
折りすじを付ける
・きれいに真っすぐ折れるように、あらかじめ折りすじを付ける。特に小さなピースでは、折り曲げる前に折りすじを付けておくことが大切。
・折りすじを付けるには、線に沿って金属定規を当て、インクの入っていないボールペンのペン先を押し当てて、すじを付ける。
注意
・はさみやカッターナイフを使う時は、手を切らないように注意する。
・のりやはさみなどの工作用具は、小さな子供達の手の届かない所に置いておく。
クリスマスの飾り付けの組み立て方
それぞれのオーナメントを切り抜き、折り線できれいに真っすぐ折れるように、あらかじめ折りすじを付けておく。
縦長の のりしろ部分を最初に貼り合わせて箱型にし、その後 底面を貼り合わせる。それから屋根の長い側面の最上部を貼り合わせ、最後に、わきの開いた部分に三角の側面を貼り付けて屋根を閉じる。
最上部にパンチで穴を開ける。リボンか紐を通し、ツリーなどにぶら下げられるように、輪にする。
最初に縦長の のりしろ部分を貼り合わせる。その後 底面を貼り合わせる。
屋根の部分に当たる、長い側面2枚の上の部分を貼り合わせる。
この部分に穴を開け、紐を通して、ぶら下げるための輪を作る。
無地のオーナメント:
無地のオーナメントは、あなた自身のオリジナルのクリスマス・オーナメントを作るためのものです。例えば:
・好きなように絵をかいたりデザインする。
・家族や友達やペットの写真を貼る。
・クリスマスに関連した絵の切り抜きを貼る。
絵とデザイン:ディディエ・マーティン掲載:マイ・ワンダー・スタジオ Copyright © 2021年、ディディエ・マーティン 許可を得て使用
牧場の 仲間たちの くらし : 赤ちゃんの イエス様の たん生を 祝う
牧場の 仲間たちの くらし:赤ちゃんの イエス様の たん生を 祝う
ビープビープ:
ぼくは 友達みんなと 考えていた。
1年の 内で 特別な イベントに ついてね。
愛する 神様の ひとり子の たん生を お祝いする、
クリスマスの ことだ。
ぼく達の 友である 人間の 君達にも おすすめしたい。
クリスマスの お話の 一部始終を 知れば、
世界を より良く することが できるんだ。
ぼく達、森や 空や 海や 陸の 動物を
天国の 神様が 造って下さった 時、
ぼく達を 管理し 世話してくれる だれかが 必要だった。
それで、人間を 造って下さったんだよ。
神様は 人に 知識を 与え、
観察力を 与えて下さった。
それによって、神様の 愛を もって
この 世界を 管理できるようにね。
だから、親愛なる 人間の 君達には
ぼく達を 世話するという 仕事が ある。
神様は、君達を 通して 働くと 言われた。
そして、「神と 共に 歩みなさい。」と 求めておられるんだ。
シド:
だけど、人間は 神様が いらないと 思うほど
自分達が 賢いと 感じるように なってしまったんだね。
それで、創造主が 許容できないような ことも
自分勝手に やってしまった。
人間が やりたい放題に したために
世界は 崩壊し始めた。
被造物は そのために 苦しんだ。
窮地に 追いやられて しまったんだ。
ネコ:
だから、私達を 造って下さった 方は
今こそ この世に 介入しなければと 決心された。
それで、人類の 一員と なられたのね。
父なる 神様は そのための 道を 備えられた。
ご自身の 子 イエスに 人間の 姿を まとわせ、
この世に 送り込むための
乙女を 見つけて下さったのよ。
そして、神様の 聖霊によって、
赤ちゃんの イエス様が もたらされた。
マリヤと 夫の ヨセフは、
心からの 愛を こめて、その 赤ちゃんを 育てた。
神様が 人として 生まれ、
私達の 世界に やって来られた。
だから、今や 神様が 共に おられ、
人間を 理解して下さると 分かる。
神様は、父と 子と 聖霊によって
三位一体と なった。
そして、すぐそばで、あなた達が 被造物を 世話するのを
喜んで 助けて下さる。
アヒル:
さて、クリスマスを 祝うのは なぜかしら?
はるか昔に 生まれた
か弱い ちっちゃな 赤ちゃんと、
どういう 関係が あるのかしら?
それは、神様が 人と なられて、
赤ちゃんの イエス様に なったから。
神様は、ご計画の 一部である 私達を
自分達だけで 管理しなさいとは 言われない。
神様は 人類の 仕事を 代わりに することは なく
じゃますることも されない。
あなた達を 通して 働くことを 願っている。
心から 私達の 世話を することを。
ベニー:
だけど、他にも みんなに 知ってほしい ことは、
神様が 全能で あるという ことだけでは なく、
神様が か弱い 子供や 人としても
個人的に みんなを 理解して下さるってこと。
というわけで、愛する 人間の みなさん、
ぼく達は、神様の 子が 赤ちゃんとして
この世に 送られたことを 知って
喜んでいるんだ。
地上の ぼく達は だれも、
神様の 世話なしに 見捨てられる ことは ない。
神様は ぼく達の すぐそばに おられる。
その気さえ あれば、君達を 通して 働いて下さる。
父と 子と 聖霊は、
神の 被造物である ぼく達を 世話するために
必要な すべてを 与えて下さる。
イエス様に 目を 向ければ、分かるよ。
この仕事が 大き過ぎるように 思えても、
君達は 一人じゃ ない。
君達は、この世界を より良く することが できる。
それは、君達が 神様の 偉大なる 計画の 一部だからだよ。
ベツィ:
だから、今 私達と いっしょに 祝いましょう。
神様の 子である 小さな 赤ちゃんの たん生を。
あなた達が 助けを 求める 時に すぐそばに いれるように
彼は 人間として 地上に 生まれてきたの。
この 小さな うるわしい 赤ちゃんを、
地上の みんなが 知ることが できますように。
地上に 平和が 満ちるようにと、
神様の ひとり子は 与えられたのです!
イエス様への プレゼントの 山
イエス様への プレゼントの 山
「主よ、どの プレゼントを 最初に お開けに なりたいですか?」 天国では、雪を かぶった 巨大な クリスマスツリーを 前に して、天使が イエス様に たずねていました。ツリーの 下に 積まれた プレゼントの 山は、ほとんど ツリーと 同じ 大きさに なっています。
「子供達からの プレゼントを 最初に 開けよう。」と、イエス様が 答えました。
すると、ツリーの 下から イエス様の 方に 向かって、プレゼントが 飛び出してきました。まるで、開けてもらいたがっているかのようです。
うでの 中に 飛びこんできた プレゼントを 受けとめると、イエス様が 言いました。「これは 何かな?」
すると、箱の 中が 光りました。「きれいな プレゼントだ!」 そう 言いながら、箱の 中を すかして 見ると、まるで 映画の スクリーンに 画像が 映し出されるように、小さな 女の 子が 赤と 緑の 細長い 紙切れを つなげて くさりを 作っているのが 見えました。
「お母さん、どう 思う? これ、ツリーに 付けたら きれいだと 思うんだけど。」 8才の エミリーが、両手 いっぱいの カラフルな くさりを 見せて 言いました。
「そうね、きれいね! とっても 上手に できたじゃない!」 ていねいに 作られた くさりを 見て、お母さんが 答えました。
エミリーは、わくわくしながら 言いました。「家中に クリスマスの かざりつけを するには、まだまだ やる ことが たくさん あるわ。明日は、お父さんと お母さんの 知り合いの 宣教師さん達が 来られるでしょ。だから、特別な ものに したいの。この くさりを 作り終えるには、もっと 紙を 取ってこないと。」
エミリーは ろうかを スキップして いきましたが、角を 曲がると、モールを 持って 歩いていた 7才の 弟の レイに ぶつかってしまいました。二人とも しりもちを ついて、びっくりした 顔で おたがいを 見合わせました。
エミリーは 思わず、おこって 何か 言いそうに なりましたが、レイは エミリーを 助け起こして 大きな ハグを くれました。「だいじょうぶ? 前 見て 歩いてなくて、ごめんね。」
「わたしは だいじょうぶ。レイは?」と、エミリーも 言いました。
「ぼくも だいじょうぶだよ。それに、イエス様に また ハグの おくり物を あげちゃった!」 レイは、朝 いっしょに 読んだ 「イエス様への おくり物」*1*を 思い出して 言いました。
「私も、イエス様に おくり物を あげたいわ。」 そう 言って、エミリーも レイに ハグを しました。「私も 気を つけてなくて、ごめんね。」
(イエス様に おくり物を あげるのって、楽しいな!)と、エミリーは 思いました。
天国では、一つの プレゼントの 箱が 閉まると、もう 次の プレゼントが 開けてもらおうと 並んで 待っていました。
紙の くさりを クリスマスツリーに かけながら、エミリーは、お父さんと お姉ちゃんが 学校の コーラス部と いっしょに 公民館で クリスマスキャロルを 歌っていることを 思い出していました。
エミリーは 祈りました。「イエス様、どうぞ、お父さんと クリスティンが、クリスマスキャロルを 通して イエス様の 愛で 人々を 元気づけられますように。」
(お祈りも、イエス様への おくり物だものね。) そう 思いながら、エミリーは にっこりしました。
エミリーが ツリーの かざりつけを 続けていると、赤ちゃんの 妹が 泣くのが 聞こえました。お母さんが 電話に 出るために 部屋を 出ていったので、そばには だれも いなかったのです。
エミリーは 歩行器の 前に すわって、赤ちゃんを しかりつけました。「泣くのを やめなさい!」 すると、赤ちゃんの キオーナは、ますます はげしく 泣き始めました。
(うーん。歌を 歌ってあげたら 泣きやむかな。)
エミリーは 歌を 歌い、即興で ダンスを しました。すると、赤ちゃんの キオーナは 泣きやみ、にこにこし始めました。
天国では、まだまだ プレゼントが 積まれていきます。
「すてきな おくり物だ。尊い プレゼントばかりだ!」 プレゼントを 次々に 開けながら、イエス様は 興奮して 言いました。
「エミリーの 祈りの おかげで、お父さんと お姉さんが 公民館で 大勢の 人達を 元気付けられたばかりか、5人の 人達が わたしを 人生に むかえ入れる 祈りを したぞ。それに、帰り道では 子供病院に 寄って、おもちゃと クリスマスの お話の 本を あげたね。他の 人達に わたしの ことを 伝えてくれると、本当に うれしいよ! それで、わたしの ツリーの 下が プレゼントの 山に なってるんだね。
子供達が くれた プレゼントは、みんな 次の プレゼントと つながっていて、それが どんどん 増えてくるんだ!」 その日、イエス様に おくり物を くれた 一人一人の 子供の ことを 考えながら、イエス様は 興奮して 言いました。
天国の クリスマスツリーの 下に 積まれた プレゼントの 山が どんどん 大きくなる 様子に 見とれながら、イエス様は 子供達の 心に ささやきました。「わたしの 誕生日を こんなに 特別な ものに してくれて、ありがとう。君達が くれる 一つ一つの プレゼントが みんな、大好きだよ。プレゼントを 受け取るたびに、わたしも 君達に すばらしい おくり物を お返しするって 約束するからね。」
脚注:
*1* https://www.mywonderstudio.com/ja/level-1/gifts-for-jesus/
イエス様 : 神であり 人間でも ある
イエス様:神であり 人間でも ある
イエス様は ことばです。そして、最初から 神様の 一部でした。
「初めに、ことばが あった。ことばは 神と ともに あった。ことばは 神であった。 この方は、初めに 神と ともに おられた。 すべての ものは、この方によって 造られた。造られた もので、この方に よらずに できた ものは一つも ない。」(新改訳聖書、ヨハネの 福音書 1:1-3)
神様の 子である イエス様は、赤ちゃんとして この世に 来られました。つまり、完全に 人間に なられたのです。けれども、人間で ありながら、神様でも ありました。
「ことばは 人と なって、私たちの 間に 住まわれた。」(新改訳聖書、ヨハネの 福音書 1:14)
イエス様は 人間の 体を 取って、私達の 元へ 来られました。最初は 赤ちゃんとして 生まれ、成長して 子供に なり、それから 大人に なられたのです。
天使は 羊飼い達に こう 言いました。「あなたがたは、幼な子が 布に くるまって 飼葉おけの 中に 寝かして あるのを 見るであろう。それが、あなたがたに 与えられる しるしである。」(口語訳聖書、ルカによる 福音書 2:12)
「イエスが 十二歳に なった 時も、慣例に 従って 祭のために 上京した。」(口語訳聖書、ルカによる 福音書 2:42)(この話の 一部始終は、ルカによる 福音書の 2:41-52に 書かれています。)
聖書に 書かれている イエス様の 生涯についての 記録は、大人に なってからの 出来事や、弟子達を 教えながら 過ごされた 時の ものが 中心に なっています。
イエス様には、あなたや 私と 同じように、つかれたり、お腹が 空いたりなど、私達と 同じ、人間としての 必要が ありました。
「朝早く、都に 帰る 途中、イエスは 空腹を 覚えられた。」(聖書協会共同訳聖書、マタイによる 福音書 21:18)
「イエスは 旅に 疲れて、そのまま 井戸の そばに 座っておられた。」(聖書協会共同訳聖書、ヨハネによる 福音書 4:6)
イエス様は 亡くなって よみがえった 後、神であると 同時に、引き続き 人間でも ありました。
イエス様は 2,000年も 前に 亡くなられ、今は 人間の 体で 地上に おられる 訳では ありませんが、それでも 人間で あり、また 神でも あります。
私達は、イエス様が 今でも 人間である ことを 知っています。それは、ひとたび 亡くなられた 後、人間の 体のまま よみがえって、ご自分に 従っていた 女性達の 前に 現れ、その後 弟子達の 前にも 現れたからです。
「女たちは、恐れながらも 大喜びで、急いで 墓を 立ち去り、弟子たちに 知らせるために 走って行った。すると、イエスが 行く手に 立っていて、『おはよう』と 言われたので、女たちは 近寄り、イエスの 足を 抱き、その前に ひれ伏した。イエスは 言われた。『恐れる ことは ない。行って、きょうだいたちに ガリラヤへ 行くように 告げなさい。そこで 私に 会えるだろう。』」(聖書協会共同訳聖書、マタイによる 福音書 28:8-10)
「その日の 夕方、弟子たちは、ユダヤ人を 恐れて、自分たちの いる 家の 戸には みな 鍵を かけていた。そこへ、イエスが 来て 真ん中に 立ち、「あなたがたに 平和が あるように」と 言われた。そう 言って、手と 脇腹とを お見せに なった。弟子たちは、主を 見て 喜んだ。」(聖書協会共同訳聖書、ヨハネによる 福音書 20:19-20)
それが、イエス様についての 素晴らしい 真実です。つまり、イエス様は 神であると 同時に、人間でも あるという ことです。永遠に 渡って、イエス様は 神であり、人間でも あります。だからこそ、イエス様は 私達の 暮らしや 困難を 理解できるのです。イエス様は 私達の 必要が 理解できるので、私達を 助ける 最善の 方法も ご存じです。
イエス様は いつでも 私達を 理解して 下さり、大きな 愛を もって、私達を 愛情深く 世話して 下さると 信じて いましょう!