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牧場の 仲間たちの お話 : カラスと キジ

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牧場の 仲間たちの お話

カラスと キジ

 カラスの ビープビープは、犬の シドと 仲良しに なりました。ビープビープは、シドの しっぽで 遊んだり、シドの 背中に 乗って あちこち 行くのが 好きでした。ビープビープと 仲良しだった 動物は、シドだけでは ありません。

 その夏、わたしの 兄の 一人が、野生生物保護センターの 依頼で、キジの ヒナを 育てることに なり、生まれてから まだ 一日か 二日しか たっていない キジの ヒナを 100羽も 連れ帰りました。ヒナたちが 自分で 生きていけるように なるまで 世話を し、その後 野生に 返すという 計画です。

 キジの ヒナたちは 鳥小屋に 入っていましたが、ビープビープは キジたちに 会いに 行くのが 好きでした。ほかの 鳥の ヒナたちを 見るのが 楽しいようでした。もしかしたら、自分と 共通の 何かを 感じていたのかも しれません。

 キジたちは 成長し、ついに 野生に 放す 日が 来ました。最初は 牧場の 周辺で えさを 探すことを 学び、その後 自然に 返れるようにと 願っての ことです。

 キジたちに 助けが 必要なのを 見た ビープビープは、さくから 地面に 飛び降り、キジたちの 間に 入って行きました。まもなく すると、ビープビープは 観光ガイドのように、キジたちの 群れを 牧場中 連れて 歩き回ったのでした。最初は 父の 作業場、次に 古い 納屋、その次に 畑、そして わたしたちの 家、最後に 道を 渡った 所に ある 新しい 納屋まで。実に うまく いきました! やがて、キジたちは 牧場内から だんだんと 外の 野生に 返って行ったのです。

 この 若い 仲間たちを 新しい 生活へと 導く 手助けが できたことで、ビープビープは 満足そうでした。

 「おのおの、自分の ことばかりで なく、他人の ことも 考えなさい。」(口語訳聖書、ピリピ人への手紙 2:4)

牧場の 仲間たちの お話 :カラスの ビープビープ

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牧場の 仲間たちの お話

カラスの ビープビープ

 ビープビープは、どういう わけか 巣を なくしてしまい、わたしたちが 世話を するように なった、カラスの ヒナです。しばらくは カンづめの ドッグフードを 食べさせて あげていましたが、まもなく 自分で 食べたり、外を 飛んで えさを 探したり、安全に 暮らしていけるように なりました。

 ビープビープは、わたしたちが やっていることを、いっしょに やるのが 大好きでした。それで、わたしたちが 牧場の 敷地内を 歩き回る 時には、よく、頭の 上や 肩に 乗っかって きました。

 ビープビープは、普通の カラスのように 鳴きますが、人間の 会話を まねたような 声も 出します。夕方に なって 家族が 集まり、おしゃべりしながら 楽しく 過ごしていると、ビープビープも そばに 止まって、いっしょに ペチャクチャ しゃべるのです。

 わたしが 畑で 豆を つもうと している 時には、ビープビープが たびたび やって来て、わたしの 先を 行き、わたしが 拾えるように 豆を つんで 地面に 落としていったり しました。ビープビープは、虫を 探すのも 好きでした。

 わたしたちが やることに 何かと 加わりたがる ビープビープの 行動が、まちがった 方向に 行ってしまったことも ありました。いよいよ 麦の 収穫が 始まろうと していた 最初の 日に、兄が トラックに ガソリンを 入れていた時の ことです。ビープビープは ピカピカ 光る ガソリンの ふたに 目を 付け、サッと 舞い降りてきて、その ふたを さらって行ってしまったのです。ビープビープには、それが すばらしい 新しい 宝物のように 見えたのでしょう。トラックの ガスタンクに ふたを しないで 走るのは 危険なので、父が 取りあえず 何か 代わりになる ものを 作業場から 見つけてきてくれました。

 さて、収穫は 2週間以上 続きました。そして、ついに 最後の 麦が 刈り取られ、穀物倉庫に 運ばれました。その年も また 豊作だった ことや、神様が わたしたちを 世話してくださったことを 感謝し、祝う 時が やってきました。

 家族が みんな、家の 前の しばふに 集まって すわっていると、ビープビープも、これは 何か 特別な 時なのに ちがいないと 気付いて、自分も お祝いに 加わることに しました。ビープビープは 木の てっぺんまで 飛んで行って タンクの ふたを 見つけ、それを わたしたちの 目の 前の しばふの 上に 落としたのです。

 ビープビープは、いつも わたしたちの ことを 理解できた わけでは ありません。結局の ところ、カラスなのですから! けれども、良い 仲間であった ことに 変わりは ありません。わたしたちと いっしょに 何かを するのを 楽しんで いたのですから。

 「友は どんな 時にも 愛する ものだ。」(新改訳聖書、箴言 17:17)

牧場の 仲間たちの お話 :ネコ毛布

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牧場の 仲間たちの お話

はじめに

 神様が 造られた 動物たちの 実話集へ、ようこそ。動物たちの おどろくような 一面が 楽しく 読めますよ。

 これらの お話は、わたしが 子供だったころ 牧場で 暮らしていた 時に、わたしや 家族が 動物たちと 経験したことが もとに なっています。

 神様が 造られた すばらしい 動物たちと 共に 地球上で 暮らすのは、神様が 下さった 喜びの 一つでも あります!

クリスティ・S・リンチ

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ネコ毛布

 犬と ネコは 仲が 悪いと 思っている 人が 大勢 いますが、必ずしも そうとは 限りません。犬と ネコは、最高の 仲良しに なることも あるのです。わたしの 父が 飼っていた バセットハウンドの シドと 牧場の ネコたちが、そうでした。シドは、ネコの 親子と 仲良しでした。

 日中、シドが 面白がって ネコたちを 追いかけることが ありました。ネコたちは、シドが ただ 遊びたがっているだけだと 知っているので、いっしょになって 遊びます。最後には、ネコたちは 木に かけ登ります。シドは 木の 下に 立って ネコたちを 見上げ、楽しい 追いかけっこが できたことで 満足そうに 立ち去ります。

 シドは、外の 犬小屋で ねむりました。雪が 降って 寒い 時などは、わたしの 母が 犬小屋の 中に 古い 毛布などを しき、犬小屋の 入口にも 毛布を かけて、中が 冷えないように しました。でも シドは、自分でも、もっと 暖かく いられる 方法を 見つけました。ネコたちを 犬小屋の 中に 招き入れ、自分の 上に 乗っかって ねさせたのです。シド専用の ネコ毛布という わけですね。

 朝に なって 父が 牧場の 雑用を しに 外に 出ると、シドは いつも うれしそうに 犬小屋から 出てきます。けれども 冬の間、犬小屋から まず 出て来るのは、犬では なく、1ぴきの ネコ、続いて もう1ぴきの ネコ、そして 最後の ネコなのです。3びきの ネコが みんな 犬小屋の 外に 出ると、最後に シドが 出てきて のびを します。一晩中 暖かい ネコ毛布に くるまれて ぐっすりと ねむったので、シドは 満足そうです。

 シドと ネコたちは、いっしょに いれば、おたがい 暖まると 知っていたのです。仲間って、そのための ものでは ないでしょうか。何かを いっしょに したり、助け合ったりするためにね。

 「友を 持つ 者は、自分自身も 友らしく ふるわねば ならない。」(箴言 18:24を 分かりやすく 言いかえたもの)

旧約聖書物語:初めに

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旧約聖書物語:初めに

初めに、神様は この世界を 創造されました。太陽や 月や 星、それに 地球もです。

神様は、草木と 美しい 大地を 造られました。そして、水の 中に 住む 生き物、空中を 飛ぶ 生き物、それに 地上に 住む 生き物を 造られました。

神様は 天地創造の 最後に、ご自分に 似せて、最初の 男の人と 女の人を 造られました。そして、エデンの園という すばらしい 場所に、この二人、アダムと エバを 置かれました。

ところが 悲しい ことに、神様の 敵である 悪魔が、この 美しい 園に、ヘビに なって しのびこみ、アダムと エバを 試すために、ウソを ついたのです。

創世記の 第1~3章には、この 出来事が くわしく 書かれているので、読んでみましょう。

文:ディディエ・マーティン 絵:ディディエ・マーティン デザイン:ステファン・ミーラー
Copyright © 2014年、ディディエ・マーティン 使用許諾取得済

シャドーボックス:旧約聖書物語:初めに

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シャドーボックス:旧約聖書物語:初めに

初めに、神様は この世界を 創造されました。太陽や 月や 星、それに 地球もです。

神様は、草木と 美しい 大地を 造られました。そして、水の 中に 住む 生き物、空中を 飛ぶ 生き物、それに 地上に 住む 生き物を 造られました。

神様は 天地創造の 最後に、ご自分に 似せて、最初の 男の人と 女の人を 造られました。そして、エデンの園という すばらしい 場所に、この二人、アダムと エバを 置かれました。

ところが 悲しい ことに、神様の 敵である 悪魔が、この 美しい 園に、ヘビに なって しのびこみ、アダムと エバを 試すために、ウソを ついたのです。

創世記の 第1~3章には、この 出来事が くわしく 書かれているので、読んでみましょう

文:ディディエ・マーティン 絵:ディディエ・マーティン デザイン:ステファン・ミーラー
Copyright © 2014年、ディディエ・マーティン 使用許諾取得済