マイ・ワンダー・スタジオ
牧場の 仲間たちの お話 :カラスの ビープビープ
水曜日, 4月 23, 2014

牧場の 仲間たちの お話

カラスの ビープビープ

 ビープビープは、どういう わけか 巣を なくしてしまい、わたしたちが 世話を するように なった、カラスの ヒナです。しばらくは カンづめの ドッグフードを 食べさせて あげていましたが、まもなく 自分で 食べたり、外を 飛んで えさを 探したり、安全に 暮らしていけるように なりました。

 ビープビープは、わたしたちが やっていることを、いっしょに やるのが 大好きでした。それで、わたしたちが 牧場の 敷地内を 歩き回る 時には、よく、頭の 上や 肩に 乗っかって きました。

 ビープビープは、普通の カラスのように 鳴きますが、人間の 会話を まねたような 声も 出します。夕方に なって 家族が 集まり、おしゃべりしながら 楽しく 過ごしていると、ビープビープも そばに 止まって、いっしょに ペチャクチャ しゃべるのです。

 わたしが 畑で 豆を つもうと している 時には、ビープビープが たびたび やって来て、わたしの 先を 行き、わたしが 拾えるように 豆を つんで 地面に 落としていったり しました。ビープビープは、虫を 探すのも 好きでした。

 わたしたちが やることに 何かと 加わりたがる ビープビープの 行動が、まちがった 方向に 行ってしまったことも ありました。いよいよ 麦の 収穫が 始まろうと していた 最初の 日に、兄が トラックに ガソリンを 入れていた時の ことです。ビープビープは ピカピカ 光る ガソリンの ふたに 目を 付け、サッと 舞い降りてきて、その ふたを さらって行ってしまったのです。ビープビープには、それが すばらしい 新しい 宝物のように 見えたのでしょう。トラックの ガスタンクに ふたを しないで 走るのは 危険なので、父が 取りあえず 何か 代わりになる ものを 作業場から 見つけてきてくれました。

 さて、収穫は 2週間以上 続きました。そして、ついに 最後の 麦が 刈り取られ、穀物倉庫に 運ばれました。その年も また 豊作だった ことや、神様が わたしたちを 世話してくださったことを 感謝し、祝う 時が やってきました。

 家族が みんな、家の 前の しばふに 集まって すわっていると、ビープビープも、これは 何か 特別な 時なのに ちがいないと 気付いて、自分も お祝いに 加わることに しました。ビープビープは 木の てっぺんまで 飛んで行って タンクの ふたを 見つけ、それを わたしたちの 目の 前の しばふの 上に 落としたのです。

 ビープビープは、いつも わたしたちの ことを 理解できた わけでは ありません。結局の ところ、カラスなのですから! けれども、良い 仲間であった ことに 変わりは ありません。わたしたちと いっしょに 何かを するのを 楽しんで いたのですから。

 「友は どんな 時にも 愛する ものだ。」(新改訳聖書、箴言 17:17)

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タグ: 友情, 被造物, 動物とペット, 牧場の仲間達のお話