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聖書の冒険物語:天から火が下る

MP3: A Bible Adventure: Fire from Heaven (English)
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聖書の冒険物語:天から火が下る

エリヤについて、もっと知りたいかな? 預言者エリヤについてのもう1つの物語、「私のためにパンを作って下さい」を読み逃さないでね。↓

https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/a-bible-adventure-make-me-a-cake/

列王紀上第18章1-45節の再話

 預言者エリヤがアハブ王の宮廷に立ち、これから大いなる干ばつが起こると告げてから、3年が経っていた。エリヤはその期間、始めはケリテ川のほとりで暮らし、その後はザレパテのやもめの元で暮らした。この長い間、エリヤは幾度となく、神は御自分の民のために、次は何を御計画なのだろうと思ったことだろう。イスラエルの民は、果たして学ぶべき教訓を学んだだろうか? もう偶像礼拝と決別する気になっただろうか? 主は、いつかはこの干ばつを止められるだろう。だが、いつ、どのように?

 すると、主がエリヤに言われた。「行って、あなたの身をアハブに示しなさい。わたしは雨を地に降らせる。」

 エリヤはすぐさま、ザレパテから250kmほど南のサマリヤに向けて、出発した。その途中で、アハブ王の家づかさオバデヤに出会った。オバデヤは、干ばつから生き延びた馬やラバのために、牧草地を探していた。オバデヤは、天の神に忠誠を尽くす、数少ない指導者の1人だった。女王イゼベルが神の預言者達を皆殺しにしようとした時には、果敢にも、その100人を洞穴に隠して養い、神への忠誠を表明したのだ。

 エリヤだと分かると、オバデヤはひざまずいて叫んだ。「わが主エリヤよ、本当にあなたなのですか?」

 エリヤは言った、「そうです。行って、あなたの主人に、エリヤはここにいると告げなさい。」

 オバデヤは答えた。「それはできません。アハブ王は、国中であなたを探し回っています。あなたを見かけたという偽りの報告が多数ありましたが、それはただ、王の怒りに油を注ぐだけでした。もし私がアハブ王に、あなたがここにいると告げ、その後あなたがまたもや姿を消してしまったら、王は私を殺すでしょう。」

 「私の仕える万軍の主は生きておられる。私は必ず、今日、私の身を彼に示すであろう。」と、エリヤは言った。

 オバデヤはエリヤの言葉を信じ、王を探しにもどって行った。その知らせを聞いたアハブ王はすぐさま、エリヤがいると家づかさから聞いた場所に駆け付けた。遂に、預言者を見つけたのだ。アハブ王はエリヤに近づくと、こう言った。「イスラエルを悩ます者よ、あなたはここにいるのですか。」

 エリヤはひるまずに、こう答えた。「私がイスラエルを悩ますのではありません。あなたと、あなたの父の家が悩ましたのです。あなたがたが主の命令を捨て、バアルに従ったためです。それで今、イスラエルのすべての人、および、イゼベルの食卓で食事するバアルの預言者450人、ならびにアシラの預言者400人をカルメル山に集めて、私の所に来させなさい。」

 神は、エリヤに御計画を示されていた。いよいよ決着の時が来たのだ。民は皆、これを最後に、きっぱりと決断しなければならない。自分達は、天の神に仕えるのか、それとも、国中に建てられた偶像でできた偽物の神に仕えるのか? そこで王は国中に使いをやって、カルメル山に集まるようにと、民に呼びかけた。

 まもなくすると、男も女も子供も、何千人もの人々がやって来た。一体何のために集まるのか、分かっていた人は1人もいなかった。ただ、集まるようにと王に命じられてやって来ただけなのだ。エリヤもそこにいるとのうわさも出回っていたが、だれもそれを信じなかった。ここ3年の間に、預言者についてのうわさは何度もあったが、実際に現れたことは1度もなかったからだ。王自身がずっと、彼を探し回っていたではないか?

 人々は押し合いへし合いになりながら、カルメル山の頂上へ向かった。一晩の内に山の斜面は人々で埋め尽くされ、皆、夜明けを待った。

 夜明けになると、だれかが叫んだ。「あそこだ! あそこにいる! エリヤが現れたぞ!」

 情報はまたたく間に、待っていた群衆の間に広がった。人々は皆、王に挑戦した男を見ようと、目を凝らした。子供達は皆、その状況をよく見ようと、前の方に押し寄せた。

 「静かに!」と、だれかが叫んだ。「シーッ! 彼が話している。エリヤが話している。」

 群衆が静まり返った。すると、山頂から大きな力強い声が響いてきた。アハブ王の宮廷で聞いたのと同じ、力強い声だ。

 「あなたがたは、いつまで二つのものの間で迷っているのですか? 主が神ならば、それに従いなさい。しかしバアルが神ならば、それに従いなさい。」と、預言者は叫んだ。

 民はひと言も答えなかった。

 エリヤは話し続けた。「私は、ただ1人残った主の預言者です。しかし、バアルの預言者は450人います。我々に2頭の牛を下さい。そして、1頭の牛を彼らに選ばせ、それを切り裂いて、たきぎの上に載せ、それに火をつけずにおかせなさい。私も1頭の牛を整え、同じようにしましょう。バアルの預言者はバアルの名を呼びなさい。私は主の名を呼びましょう。そして、火をもって答える神を、神としましょう。」

 「結構。それがよかろう。」と、民は答えた。敵対する神々の力の対決を目の当たりにできると、興奮していた。見物する大衆の関心度は、いよいよ増してきた。

 エリヤはバアルの預言者達に向かって言った。「あなたがたが初めに1頭の牛を選んで、それを整え、あなたがたの神の名を呼びなさい。そして、火をもって答えてもらいなさい。」

 バアルの預言者達は、バアルこそ地上で最強の神であることを証明できるいい機会だと、喜んで牛を選んで切り裂き、用意した祭壇のたきぎの上に載せた。そして、火を送って供え物を焼いて下さるよう、バアルを呼び求めた。

 「バアルよ、答えて下さい!」 彼らは叫びながら、祭壇の周りで踊り始めた。

 だが、バアルからはなんの返事もなく、火もなかった。

 朝から昼までずっと、彼らは踊ったり、気の狂ったように叫び続けた。昼になり、エリヤは彼らをあざけって言った、「もっと大声をあげて呼びなさい! 彼は旅に出たのか、または眠っていて、起こされなければならないのか。」

 そこで彼らは大声に呼ばわり、刀で身を傷つけ、血をその身に流すに至った。こうして昼が過ぎ、夕方になって、日が沈み始めた。しかし、バアルからの返事はなかった。

 しばらくすると、バアルの預言者達の失敗を目の当たりにし、完全に嫌気が差していた人々に向かって、エリヤが再び口を開いた。

 「私に近寄りなさい!」とエリヤが言ったので、民は皆、彼に近寄った。エリヤは、以前山頂に作られた、こわれて忘れ去られていた主の祭壇を繕った。イスラエルの部族の数に従って12の石を取り、その石で祭壇を築き、祭壇の周囲にみぞを掘った。それから牛を切り裂いて、たきぎの上に載せた。

 「四つのかめに水を満たし、それを供え物とたきぎの上に注げ。」とエリヤが言うと、人々は驚いた。

 それを見て笑った人もいただろう。「そんなにたくさんの水をかけて、それが焼けるとでも思っているのか?」 例えエリヤがそれを耳にしたとしても、気にも留めなかっただろう。

 エリヤはまた言った、「もう一度、それをせよ。」 人々はもう一度、そうした。

 すると、またエリヤが言った。「三度目をせよ。」 人々が三度目にそれをすると、供え物は水に浸り、周りのみぞにも全部、水が満ちた。これでもう、エリヤが自分で火をつけたなどと言える人はいないだろう。

 エリヤが声を張り上げて祈り始めると、突然、群衆が静まり返った。すべての人が耳を傾けた。叫ぶのを止めていたバアルの預言者達でさえもだ。

 「アブラハム、イサク、ヤコブの神、主よ。イスラエルでは、あなたが神であること、私があなたのしもべであって、あなたの言葉に従ってこのすべての事を行ったことを、今日知らせて下さい。主よ、私に答えて下さい、私に答えて下さい。主よ、この民に、あなたが神であることを知らせて下さい!」

 エリヤが祈り終えもしない内に、空からパッと火が下って、供え物と、たきぎと、石と、ちりとを焼きつくし、また、みぞの水をすべて、なめつくした。それは、全くもって驚嘆すべき、決して忘れられない眺めだった!

 恐れおののいた人々は、地に顔を伏せて叫んだ。「主が神である、主が神である!」

 エリヤは、バアルの預言者を1人残らず捕えさせ、キション川に連れ下って粛清した。彼らの邪悪さから国を清めるためだ。

 エリヤは、来たるべき雨に備えるようにとアハブに指示した後、カルメル山の頂に登り、祈りの内に頭をたれた。

 「上って行って、海の方を見なさい。」と、エリヤはしもべに言った。

 しもべはもどって来ると、「何もありません。」と言った。

 エリヤは「もう一度行きなさい」と言って、それが7度に及んだ。

 七度目にしもべがもどって来ると、こう言った。「海から人の手ほどの小さな雲が起こっています!」

 すると間もなく、雲と風が起こって空が暗くなり、大雨が降ってきた。エリヤのたゆまぬ祈りが答えられた瞬間だった。

このすごい聖書の登場人物について、もっと読んでみよう。「聖書の偉人:エリヤ」を見てね。↓

https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/heroes-of-the-bible-elijah/

文:Good Thotsからの編集、Copyright © 1987年、使用許諾取得済 絵:マイク・クローム デザイン:ロイ・エバンス
出版:マイ・ワンダー・スタジオ Copyright © 2021年、ファミリーインターナショナル

聖書の偉人:エリヤ

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聖書の偉人:エリヤ

名前の意味:「ヤハウェは我が神なり」

別名:ティシュベのエリヤ、世界一足が速い人

驚くべき事実:エリヤは死者をよみがえらせ、何度も天から火を呼び下ろし、馬車よりも速く走り、死ぬことがなかった!(列王紀上17:21-22、列王紀上18:36-38、列王紀下1:10-12、列王紀上18:44-46、列王紀下2:11を読んでね。)

知っていたかな? ベテルとエリコに住む50人の預言者達は、エリヤが天国に旅立つことを知っていた。エリヤが神との約束を果たす、この壮大な出来事を見ようと、彼らはヨルダン川のほとりに集まったんだよ。(列王紀下第2章を読んでね。)

彼のすごい所:信念と誠実さの持ち主。神に逆らう者に挑戦することを好んだ。

君にもできる:神様の力による奇跡を期待しよう。

文:R.A.ワターソン 絵:マイク・クローム デザイン:ロイ・エバンス
出版:マイ・ワンダー・スタジオ Copyright © 2021年、ファミリーインターナショナル

聖書の冒険物語:私のためにパンを作って下さい

MP3: A Bible Adventure: Make Me a Cake (English)
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聖書の冒険物語:私のためにパンを作って下さい

列王紀上第17章の再話

 紀元前850年ごろのイスラエルでは、史上最悪の王アハブの統治下で、人々が深い悲しみと苦難を味わっていた。邪悪な妻イゼベルの多大なる影響で、アハブはイゼベルのバアル信仰を取り入れた。バアル信仰は異教の悪魔崇拝で、人々を生贄にしていた。アハブ王とイゼベルの統治下で、真の神の預言者達も次々と殺され、バアル信仰が国教となった。

 神はそれに対する怒りを表すために、御自身の預言者エリヤをアハブ王の元へ遣わし、このような不吉な知らせを伝えさせた。「私の仕えているイスラエルの神、主は生きておられます。私の言葉のないうちは、数年雨も露もないでしょう。」

 この強烈な警告を伝えた後、神はエリヤに、ヨルダンの東にあるケリテ川のほとりに身を隠すようにと言われた。水はその川から飲める。神はまた、カラスに命じて、毎日エリヤにパンと肉も運ばせられた。

 エリヤが預言した通り、雨は1滴も降らなくなり、国中に干ばつが広がった。うだるような暑さが何か月も続き、灼熱の太陽がイスラエルの干上がった地を容赦なく照り付けた。作物は枯れ、水源も干上がり、国は飢饉に襲われた。しばらくすると、エリヤが水をくんでいたケリテ川も枯れてしまった。神は忠実な方で、ケリテ川の水が枯れたちょうどその日、エリヤに、ザレパテへ行って、そこに住むようにと言われた。

 「さあ。わたしはザレパテのやもめに命じて、あなたを養わせるから。」と、主は言われた。

 ザレパテは、ケリテ川から160km以上北にある。エリヤは、この危険な旅を徒歩でしなければならなかった。砂漠化した荒れ地や岩だらけの丘や山道を何日も歩いた後、エリヤは遂にザレパテに着いた。現在のレバノンに当たる、海岸沿いの町だ。汗だくでほこりまみれの疲れ切ったエリヤが町の門に近づくと、1人の女性がたきぎを拾い集めていた。

 エリヤは大声で言った。「水を下さい! 器に水を少し持ってきて、私に飲ませて下さい!」

 疲れ果てた様子の旅人をあわれに思った女性は、水を持って来ようとして立ち上がった。

 すると、エリヤはまた女性を呼んで言った。「どうか、一口のパンも持って来て下さい。」

 女性は言った。「主は生きておられます。私にはパンはありません。ただ、かめに一握りの粉と、びんに少しの油があるだけです。今私はたきぎ2、3本を拾い、うちへ帰って、私と子供のためにそれを調理し、それを食べて死のうとしているのです。」

 この女性こそ、神が自分を養ってくれると約束されていたやもめなのだと気付いたエリヤは、女性にこう言った。「心配するにはおよびません。行って、あなたが言った通りにして下さい。しかしまず、それで私のためにパンを1つ作って、持って来て下さい。その後、あなたと、あなたの子供のために作って下さい。

 主が雨を地の表に降らす日まで、あなたのかめの粉は尽きず、びんの油は絶えないと、イスラエルの神、主が言われるからです。」

 このような突拍子もない言葉に女性は驚いたが、エリヤが主の御名で権威を持って語ったので、彼が神の預言者であると分かり、彼を信じた。彼女は神に信頼しようと決め、エリヤの言ったようにした。それで家へ急ぎ帰り、かめの底に残っていた一握りの粉をかき集め、びんに残っていた最後の数滴の油を注ぎ出した。

 粉と油を混ぜ合わせてパン種をこね、かまどに入れてエリヤのためのパンを焼いている間、彼女はキッチンを片付け始めた。空の油のびんを片付けようとして、彼女はハッと驚いた。「どうしてさっきよりも重いのかしら?」 ほんの少し傾けてみると、油がキッチンの床にしたたり落ちた。大急ぎで粉のかめも見てみると、彼女は驚きの叫びを上げた。さっきまで空だったかめには、ふちまで一杯に粉が入っていた。奇跡が起きたのだ!

 やもめの心は、このような素晴らしい主の祝福に与ったことで、神への感謝の気持ちであふれた。そして、エリヤが預言したように、飢饉の間中、かめの粉は尽きず、びんの油は絶えなかったのだ。

 彼女は、自分にありったけのものを与えたが、神は、彼女が想像もできないような形で報いて下さったのだった。

このすごい聖書の登場人物について、もっと読んでみよう。「聖書の偉人:エリヤ」を見てね。↓

https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/heroes-of-the-bible-elijah/

預言者エリヤの人生に起こった、もう1つのスリル満点の物語「天から火が下る」も、お見逃しなく!↓

https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/a-bible-adventure-fire-from-heaven/

文:Activated Vol.7, Issue 7からの編集、Copyright Ⓒ 2006年、使用許諾取得済 絵:マイク・クローム デザイン:ロイ・エバンス
出版:マイ・ワンダー・スタジオ  Copyright © 2021年、ファミリーインターナショナル

「聖書の偉人クイズ:エステル」の答え

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「聖書の偉人クイズ:エステル(https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/hero-of-the-month-quiz-esther/)」の答え

1.星

2.ハダッサ

3.アハシュエロス、またはクセルクセス

4.「わたしがもし死なねばならないのなら、死にます。」(エステル記 4:16b)

5.プリム(エステル記 9:22-28)

6.10年

7.イラン

8.エズラ記とネヘミヤ記

文:R.A.ワターソン
Copyright © 2013年、ファミリーインターナショナル

聖書の偉人のぬり絵:女王エステル

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聖書の偉人のぬり絵:女王エステル

「このような時のためにこそ、あなたは王妃の位に達したのではないか。」-モルデカイが女王エステルに言った言葉(新共同訳聖書、エステル記 4:14)

女王エステルについて、もっと知ろう。「聖書の偉人:女王エステル(https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/heroes-of-the-bible-queen-esther/)」を読んでね。

絵:マイク・クローム デザイン:ステファン・ミーラー
Copyright © 2013年、ファミリーインターナショナル

聖書の偉人クイズ:エステル

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聖書の偉人クイズ:エステル

君は、女王エステルの物語をどのくらい知っているかな?

1.「エステル」という名前の意味は?

2.エステルのユダヤ名は?

3.エステルと結婚した王様の名前は?

4.エステルが王様に、自分の民を救ってほしいと願いに行く前に、女王エステルが宣言したこととは?

5.今日に至るまで続いているお祭りで、ユダヤ人が大虐殺から救われたことを祝うお祭りの名前は?

6.エステル記に書かれていることは、何年間に渡る出来事についてかな?

7.エステルが生きていた時代のペルシャの国の、現在の名前は?

8.エステルの物語は、歴史的には、旧約聖書のどの書とどの書の間の出来事かな?

答えは、「『聖書の偉人クイズ:エステル』の答え(https://www.mywonderstudio.com/ja/level-2/your-name-in-lights-and-answer-key-for-hero-of-the-month-quiz-esther/)」を見てね。

文:R.A.ワターソン
Copyright © 2013年、ファミリーインターナショナル