マイ・ワンダー・スタジオ
牧場の 仲間たちの くらし: うらみは さようなら
水曜日, 1月 1, 2020

牧場の 仲間たちの くらし:うらみは さようなら

ビープビープ:

「根に 持っては だめだよ」って

言われた ことは あるかな。

意味は ちょっと 分からなかったかも。

「根に 持つ」って、目に 見えないからね。

根に 持つ ことが、実際に 行動として 現れた 話を しよう。

友だちの アヒルの ミックに 起こった ことなんだ。

ある日の こと、牧場に いたら

ベニーが つっ走って 来た。

ミック:

食事の 後、池に 向かって 歩いていたら

いきなり ベニーが 走って 来た。

ベニーは 遊び相手の ジェニーに 追いつこうと

ぼくを つき飛ばして 走り去った。

ぼくが 歩いてるのが 見えなかったのかい?

「ごめんね」も 言わずに 行ってしまうなんて。

ベニーは 追いかけっこに 夢中で、

全然 気付かなかったんだ。

おかげで 羽は めちゃくちゃだし 泥んこだ。

ぼくは クワックワッと 言いながら 起き上がった。

そして、牧場の 方に 向かって さけんだんだ。

「だれを つき飛ばしたのか、見えなかったのかーい?」

ぶつぶつ 言いながら、ぼくは 羽を 1枚1枚 つくろった。

そして、また 池へと 歩き始めた。

いつもの 道をね。だけど、他の みんなが

楽しんでるのが ねたましく なったんだ。

「一体 何が そんなに 楽しいんだい、サリー?」

ぼくは 池で 他の アヒルに 八つ当たりした。

「人生って、そんなに 楽しい ものかい。

考えが 甘過ぎるんだよ。」

それまで ずっと 陽気だった 友だちは

すっかり しょげ返って しまった。

目には 涙が あふれ、

遊ぶのも いやに なって しまったんだ。

確かに ぼくは 被害者だった。

ベニーが かけぬけて 行ったからじゃ なくて、

「根に 持つ」 ことのね。

ぼくは 完全に 無防備だった。

「根に 持つ」 ことって、自分が 不当に

あつかわれたと 感じる 時に 生じる ものなんだ。

すぐに 気を 取り直す 代わりに

自分を あわれんだり 落ちこむ 時にね。

ぼくは、ベニーを ゆるして あげる べきだったんだ。

ゆるしてって 頼まれても 頼まれなくてもね。

そうすれば、ぼくは きずついて くさる ことも なく

乗りこえられたんだ。

ベニーは 何が 起こったのか、気付きも しなかった。

いっしょに 遊んでいた ジェニーもね。

悪気は なかったんだ。

ぼくだって、ちょっと 転んだだけさ。

だけど、ぼくは そのことを 根に 持って

みんなに 八つ当たりした。

池で いっしょだった、それまで 元気で 陽気だった

友だちに したようにね。

今度は サリーまで 落ちこんで しまった。

その日は ずっと、ふくれっ面だったんだ。

サリーは 周りの アヒルたちにも 八つ当たりした。

巣の 取り合いを したりしてね。

もう、あやまらないと いけない。

ぼくの せいで 始まった ことだから。

ベニーと ジェニーを 探し出して、

ぼくたち 3人で 仲直りを した。

「ふくれっ面を して、ごめんね。」

ぼくは、2頭の 友だちに あやまった。

彼らは ビックリして、どうして

あやまってるんだろうって 顔で ぼくを 見た。

「あのね」、と ぼくは 説明した。

「君たちが 走り回って 遊んでいた 時、

ベニーが ぼくを つき飛ばしたまま、

何も 言わずに 走り去って 行ったんだ。」

今度は ベニーが おどろいて、あやまった。

「うわぁ、それは 本当に ごめんね、ミック!

そばを 通る 時に スピードを 落とすべきだったよ。

そうすれば、君は つき飛ばされずに 済んだのに。」

「悪気が なかったのは 分かってるよ。」

「君って、すごく 大人なんだね。」

ぼくたちは 仲直りして、万事 元通りに なった。

これで、おぞましい うらみの 根は なくなった。

それから ぼくは サリーの 所にも 行った。

すごく きずつけちゃったからね。

「本当に ごめんね、サリー。

君は ぼくの 親友だよ。それを 言いたかったんだ。」

ビープビープ:

そういう わけで、牧場には 平和が もどった。

また 仲良しに もどったんだ。

うらみの 根が ぼくたちの 友情を こわすために

だまそうと 入って来たけどね。

ミック:

ぼくたちは、完ぺきに なった わけじゃ ない。

時には 仲間の 気を 害する ことも あるさ。

だけど、ぼくたちは たがいに ゆるし合う ことも 知ってる。

そして、友情を こわすような ことは 放って おかないんだ。

ベニー:

友情は、かけがえの ない もの。

あやまるだけの 価値は あるよね。

それは きずついた 気持ちを 消し去り、

うらみの 根を ほほえみに 変えて くれるんだ。

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タグ: 友情, ゆるし, 詩, 牧場の仲間達の暮らし