マイ・ワンダー・スタジオ
友だちづくりの ヒケツ
火曜日, 8月 12, 2014

友だちづくりの ヒケツ

 地中の 奥深くに、ひとりぼっちの 小さな ミミズ、ニョロが 横たわっています。ニョロは、悲しくて みじめな 気分でした。「だれも、ぼくと いっしょに 遊びたがらない。だって、ぼくは ただの みにくい ミミズなんだもの。」 そう 言って、ニョロは ため息を つきました。

 地上では、太陽が さんさんと 輝き、小鳥たちが さえずっていました。2ひきの ちょうちょは、まるで ダンスでも おどっているかのように、花から 花へと ひらひら 飛んでいます。てんとう虫が バッタと 遊んでいると、ミツバチも やって来ました。みんなの 楽しそうな 笑い声を 聞いていると、ニョロは ますます さびしく、また 悲しくなってしまいました。

 (どうして、だれも ぼくを 遊びに さそってくれないのかなあ?)と、ニョロは 思いました。

 けれども、ニョロは 自分で 友だちを さがしに 行こうとは せず、地中で すねていました。

 何日も 過ぎましたが、ニョロは、ただ 地中で じっと しているだけです。日が たつごとに、ニョロは ますます 自分を あわれに 思い、もっと もっと さびしくなっていきました。

 ある 満月の 明るい 夜の ことです。ニョロは 夢を 見ました。親切な 年老いた イモ虫が、地中に かくれている ニョロを 見つけて、地上に 出てみないかと さそいに 来ました。

 「どうして おまえさんは、ほかの 虫たちと いっしょに 遊んで、地上の くらしを 楽しまないのかね?」と、イモ虫は ニョロに たずねました。

 ニョロは 何と 答えたら いいのか、分かりません。

 親切な 年老いた イモ虫は、考え深そうに ほほえんで 言いました。「ちょっとした ヒケツを 教えてあげよう。本当に 幸せに なりたかったら、そのための 努力を することだ。」

 ニョロは、とまどった 表情で イモ虫を 見ました。「それって、どういう ことですか?」

 「それはだな、もし 自分の ほうから 周りの 人たちに 手を さしのばす 努力を すれば、心が 満たされて、もっと 幸せに なれるという ことじゃよ。周りの 人たちの ことを 考えれば、自分の 悲しい 気持ちなんて、わすれてしまうもんさ。」と、イモ虫が 説明してくれました。

 「本当なの?」と、ニョロが 言いました。

 「もちろんだとも! 試してみなされ! 今度 悲しくなったら、ちっぽけな 穴に 閉じこもってないで、太陽の 輝く 外に 出てみる ことじゃ。そして、友だちに なれそうな だれかを さがすんじゃよ。だれかが お前さんとこに 来て 遊びに さそってくれるのを 待っているのでは なくてな。自分から 出て行って、いっしょに 遊ぼうと さそうのじゃ。」

 「いい 考えですね! 友だちが いるのって、とても すてきな ことだもの!」 ニョロは、思わず 声を あげると、にっこり ほほえみました。

 次の 日の 朝に なり、太陽が 地平線の 向こうから のぼって来ると、暖かい 日差しに さそわれて、大きな 虫たちや 小さな 虫たちが 遊びに 出てきました。

 ニョロは 目を 覚ますと、穴から 外に 顔を 出しました。小さな 生き物や 虫たちが、夜の ねむりから 目覚めて、体を のばしたり あくびを したり しています。周りの 大きな 世界を 見渡すと、ニョロは 思わず しりごみしました。そして、さっと 自分の 安全な 穴の おくに 引っこんでしまいました。その時です。夢の 中で 親切な 年老いた イモ虫が 教えてくれた、友だちを 作る ヒケツを 思い出しました。

 「やってみるだけの ことは あるよね。」 ニョロは 自分に そう 言い聞かせると、外に はい出しました。

 外に はい出てみると、そばの 長い 草の 葉に、コガネ虫が すわっていました。ニョロは おじけづきましたが、いつまでも 一人 さびしく 悲しみに ひたっているのも もう いやなので、コガネ虫に 近づいて行きました。

 「こんにちは。」 ニョロを 見ると、コガネ虫が あいさつしました。

 「やあ、こんにちは。ねえ、いっしょに 遊ばない?」 ニョロが さそいました。

 「うん。ぼく、だれと 遊ぼうかなって 思ってた とこなんだ。この 辺りには まだ 来たばかりだから、友だちが できるのを 楽しみに してたんだよ。さそってくれて、うれしいな!」

 ニョロは ほほえみました。「ぼくも、声を かけて よかったよ。」

 まもなく、大勢の 虫たちも、ニョロと 新しい 友だちの コガネ虫に 加わり、あちこちの 草の 間を かけ回って かくれんぼを したり して 遊びました。ニョロを 中心にして、みんなで いっぱい 楽しく 遊びました! ニョロは、新しく できた 友だちと、あちこち はい回って 遊びました。

 かくれんぼを した 時は、ティブスという 小さな イモ虫が ニョロの 後を ついてきました。「君と いっしょに かくれても いい?」と、ティブスが たずねました。

 「もちろん いいよ。だけど、急がないとね。じきに、ハミルトンが ぼくたちを さがしに 来るから。」

 ハミルトンは、今 かくれんぼの おにを している アリの 名前です。

 ニョロと ティブスは、そばに あった 小さな はち植えの かげに かくれました。ハミルトンは、なかなか 彼らを 見つける ことが できないで いるようです。「ぼく、ハミルトンが こっちに 来ないか、見てくる。」と、ニョロが ささやきました。

 けれども、ニョロが すみの 方から 顔を 出したとたん、ハミルトンに 見つかってしまいました。

 「見いつけた!」 そう さけんで、ハミルトンは ニョロの 方に 走って来ました。

 ティブスは、思わず クスクス 笑ってしまいました。それを 聞きつけた ハミルトンは、さっと 走って来ました。「やっ、君も 見っけ!」

 「ぼく、今までに ミミズの 友だちなんて、いたこと なかったんだ。ぼくたち、最高の 友だちに なれると 思うよ。」と、ティブスが ニョロに 言いました。

 「うん、そうだと いいね。」 ニョロも、ニヤッと 笑って 答えました。(友だちを 作ろうと 努力して、本当に 良かったよ。)と、ニョロは 思うのでした。

 ニョロは、新しい 友だちを 作る ヒケツを 学びました。周りの 人たちに 対して 親切に なり、積極的に なって、思いやりを 持つこと。そうすれば、自然に 友情が 芽生えてくると いう ことを。

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タグ: 勇気, 友情