天国公園
「ご乗車くださ~い! 天国公園行きの列車が出発いたしま~す!」 駅長さんが大声で呼びかけました。
タラとマレクとミコとジェシーが、ガイドのスザンナといっしょに天国公園行きの列車に乗りこみました。天国公園とは、子ども向けに造られた天国のアドベンチャーパークです。
天国列車は、地上の1900年代初期に走っていた蒸気機関車に似せて造られました。蒸気機関がどのようなしくみで動くかがわかるように、車体は透明にできています。子どもたちがエンジン室をのぞきこむと、2人の人がシャベルで燃料をすくう手を止めて、手をふりました。彼らがシャベルですくっていたのは、地上の蒸気機関車で使われていた石炭ではなく、天国のエネルギー・クリスタルでした。それは、エンジン室の水を力強い蒸気にするのに使われていました。とても強力なので、列車は走るというよりも、空を飛んでいました!
「きっと、あれが天国公園ね!」とミコがさけびました。
「ええ、そうよ。」とスザンナが答えました。「じきに、公園の駅に入るわ。」
スザンナと子どもたちは、列車から降りました。彼らの前には、お好みコースが記された看板が立っています。「かなたの世界」、「チェンジの小道」、「夢中になれる小道」、それに「歴史アドベンチャー」です。
「うわぁ、わたし、変わるの大好き!」とタラが言いました。「チェンジの小道に行きましょうよ。何があるのかしら?」
子どもたちは公園の中へ向かってのびている、流れるようなピカピカの道を歩いたり、走ったり、はねたり、スキップしながら、進んでいきました。
「どうしてこれがチェンジの小道なのかしら?」 タラが興味津々の声で言いました。すると・・・「おどろきだわ! わたしたちが着ている服を見てよ! みんな、新しい楽しそうな服を着ているわ。だけど、どうしたらこうなったのかしら?」
「わからないな。」とジェシー。「でも、タラが『チェンジ』って言った時に、そうなったみたいだよ。」
すると、今まで歩いていた道がすべり台に変わりました。下りになったり上りになったり、ぐるぐる回ったり、ジグザグになったり、星や惑星が散りばめられた美しい景色の中を、ビューンと進んでいきました!
子どもたちは、すぐにそのからくりがわかりました! 次にミコが「チェンジ」と言うと、頭上の水色の空が、緑、青、紫、ピンク、黄色のうずになりました。
子どもたちは、熱心に「チェンジ」という言葉を言いながら、そのたびに起こるいろいろな変化を目いっぱい楽しみました。
チェンジの小道のとちゅう、子どもたちは等身大のしょうがパンぼうやの家の真ん前に降ろされました。中には、大きなきのこのテーブルがあり、小さなきのこのいすもそろっていました。
「楽しそう!」とマレクが言いました。「中に入ってみようよ。」
子どもたちは小さな家の中に入り、テーブルを囲んできのこのいすにすわりました。マレクがテーブルの真ん中にある赤いボタンをおすと、人の形をした小さなしょうがパンぼうやが飛び出してきて、ぺこりとおじぎをしました。
「いらっしゃいませ、巨人の皆様。皆様のために、天国の珍味を用意してございます。このボタンをひとおしするだけで、特別なシャーベットメーカーが、皆様のお好みのシャーベットをすぐにお作りいたします! えぇっと・・・ お子様方は、マンゴーにストロベリー、それにチェリー・シャーベットがお好きと見えますね。では、とびきりの味をご賞味ください!
そう言うと、その小さなしょうがパンぼうやは、いそいそとシャーベットをよそってくれました。
「天国って、わくわくすることやおいしいものでいっぱいなんだね。」 マレクがとてもうれしそうに言いました。
「それは、すべてが、わたしたちへのイエス様の愛を表すために造られているからよ。」とスザンナが説明しました。「いい考えがあるわ。あなたたちがみんな、同時に例の言葉を言ったら、何が起こるかしら?」
「やってみましょうよ。」とタラが言いました。
「1,2の3・・・チェンジ。」 子どもたちがいっせいに声を上げました。
すると、今度のチェンジは今までとちがい、子どもたちは二つのグループに分かれて、別々の場所へ転送されました。
タラとジェシーは、「チョウの羽ばたき」コーナーに来ていました。子どもたちの周りでは、羽の大きさが差し渡し2メートルもある、巨大なチョウたちが羽ばたいていました。すると、ジェシーとタラにも、チョウの羽があるではないですか。それに、ちょうど自分のうでや足を動かす時と同じように、思いのままに羽も動きます。ひとたび自分の羽になれると、二人はチョウたちといっしょに、巨大ヒマワリの花畑へと羽ばたいて行きました。そこで二人は、チョウたちといっしょにかくれんぼをして遊びました。
さて、ミコとマレクとスザンナは、どこへ行ったのでしょうか? 三人は、巨大な草花でいっぱいの、心がうばわれるような「ふしぎ植物園」にいました。
「ここでは草花に比べて、わたしたちがものすごく小さいのね。」とミコが言いました。「地球上の草花と比べると、わたしたち、まるでアリになったような気分だわ。あら、見て! 妖精だわ!」
「色についての歌を歌うとね・・・」と妖精が言いました。「バラの色が、歌っている色になるのよ!」
「赤、黄色、緑、青! イエス様、イエス様、愛してます!」とミコが歌いました。
するとふしぎなことに、バラの色が、歌に合わせてどんどん変わり始めました。赤、黄色、緑、そして青! ミコが歌っていると、だれが現れたと思いますか? ほかでもない、子どもたちの最高の友だちであり、またお兄さんである、イエス様ご自身が現れたのです!
イエス様はミコとマレクの手を取って、ぐるぐる、ぐるぐると回りました!
「楽しんでるかい?」とイエス様が聞きました。
「もちろんです、最高に!」と子どもたちが答えました。
「それはよかった。」とイエス様が言いました。「この公園にあるものはすべて、わたしの愛を君たちに示すために造ったんだ! 君たちへのわたしの愛は絶えることがなく、またいたるところにあるんだよ! 決して、変わることはないからね!」
イエス様がそう言うと、ミコとマレクとスザンナは、「はねまわる雲」の展示館に来ていました。そこは、いろいろな形や大きさや色の、ふわふわした雲がいっぱいの 空のようでした。
ミコが言いました。「見て。ジェシーとタラが、雲の上ではねてるわ!」
いました、いました。二人は、まるでトランポリンの上ではねるように、雲の上でとびはねていました。ただ、トランポリンの時よりも、ずっと高く! すぐさま、ミコとマレクとスザンナも、いっしょになってとびはね始めました。みんなが雲から雲へと飛び移ると、色とりどりの雲が空中をぐるぐると動き回り、次にどの雲に着地するか、見当もつきませんでした。
「ねぇ、見て!」 そう言うと、ジェシーは空中高くはね上がって一回転し、それから雲を目がけて飛びこみました。すると、雲をつきぬけ、その下にあったほかの雲に着地しました。ほかの子どもたちもみんな、はね上がって一回転し、雲を目がけて飛びこみ始めました。
今度はミコが雲を一切れつかみ、雲ボールにしてマレクに投げつけました。すぐに、子どもたちはみんな、雲から雲へと飛び移りながら、雲合戦を始めました。
さて、1日のしめくくりは、公園の大きな川での小さなヨット乗りでした。船長は、男の子たちにロープの引き方を教えてくれました。帆に風が当たるように、ロープで調節するのです。女の子たちは、ボートの向きを変えるかじの取り方を教わりました。
子どもたちは、とちゅうで魚つりもしました。つり糸のはしには、針ではなく、ごちそうを付けてつるのです。魚がごちそうに食い付くと、糸がピクッと動きます。ジェシーは魚をボートの上につり上げて、ビックリ。魚がジェシーに向かってウインクしたのです。そしてはね上がると、また川の中に飛びこんでしまいました。
「魚は、ごちそうをありがとうって言ってたんだと思うよ。」とジェシーが言いました。
「みんな、見て!」 タラがみんなを呼びました。「魚が水から飛び上がって、わたしの手の中に、こんなにきれいな宝石を落としていったの。」
「うわぁ、わたしもそんな宝石がほしいわ。」とミコ。
二人の女の子は魚つりを続けました。まもなく二人とも、つなげて首かざりにできるほどたくさんの宝石がたまりました。
マレクは川に飛びこんで、魚たちといっしょに泳ぎ回りました。とても楽しそうなので、ほかの子どもたちもみんな、すぐに川に飛びこみました。魚たちも喜んで、彼らの周りをすいすいと泳ぎ回りました。
さて、そろそろ天国公園での遠足も終わりに近づいてきましたが、子どもたちは、何度でもこの天国公園に来れることを知っています。まだまだ、子どもたちに発見され、楽しんでもらえるのを待っている天国の楽しみが、たくさんあるのです。
いつかあなたも、自分で天国のふしぎを探検することができるようになりますよ! それまでは、あなたを待っているすばらしい冒険を思い描きましょう。または、夢で天国のふしぎをいくつか見せてくださるように、イエス様にお願いすることだって、できますよ。楽しみにできることが、とてもたくさんありますね。