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歴史に残る 偉大な人物 : ウィリアム・ウィルバーフォース
金曜日, 6月 4, 2010

歴史に残る偉大な人物

ウィリアム・ウィルバーフォース

 ウィリアム・ウィルバーフォース(1759-1833年)は、イギリスの政治家、博愛主義者*1*。奴隷貿易廃止*2*運動のリーダー。20代半ばで回心して以来、政治家を続けるべきか、神に近い静かな人生を送るべきかと問うた。友人たちは、自分の影響力を良い目的のために使うべきだとウィルバーフォースに助言した。クリスチャンとしての道徳観*3*を個人的にも公にも推し進めたいという願望と信仰が、生涯を通して彼が改革を成功に導いた土台となった。

*1* 博愛主義者:すべての人を分けへだてなく愛することを信じ、人々に幸福をもたらすために慈善活動などをする人

*2* 奴隷貿易廃止:奴隷の売買を法律で止めさせること

*3* 道徳観:個人や集団に対して適切な振る舞いをするという方針

 1700年代後半の奴隷貿易では、何百そうもの船を使って何千人ものアフリカ人奴隷が何百万ポンド(イギリスのお金の単位)もの金額で売買された。

 大西洋を渡る途中のいわゆる「中間航路」で起きていた残虐な行為を知る者は、ほとんどいなかった。アフリカ人の4人に1人はそこで命を落としていたと推測されている。

 ウィルバーフォースはそのことを知り、深く心を痛めていた。

 1787年10月の彼の日記には、「高い地位にある者が抗議の声を上げ、国民の道徳観を改革に導く」必要があると記されている。

 その後ウィルバーフォースは、彼の生涯の使命の1つをこう要約している。「万能の神はわたしに、奴隷貿易を鎮圧*4*するようにとの使命をお授けくださった。」(*4* 鎮圧:何かをやめさせるために、意識的かつ強制的な行動を取ること)

 1788年5月、ウィルバーフォースは議会に、奴隷貿易を起訴*5*するという動議を提出したが、却下されてしまった。(*5* 起訴:誤った行為をしている人を法的に訴えること)

 農場主*6*、事業主、船の所有者、さらには国王までもが、その運動に反対した。奴隷制度廃止を唱える者たちは、危険な急進論者だと思われていたのだ。(*6* 農場主:プランテーションと呼ばれる大きな農場を所有する人)

 それでも、ウィルバーフォースはあきらめることを拒んだ。そして1791年にも奴隷貿易反対議案を提出したが、それも否認された。

 1792年に廃止法案を提出した時も結果は同じであった。1793年も同じだった。そしてさらに、1797年、1798年、1799年と続いた。1804年と1805年もだった。

 しかしながら、廃止論者たちの努力は少しずつ一般からも支持されるようになり、1807年、ついにイギリス全土における奴隷貿易禁止法が議会を通過した。

 ウィルバーフォースは喜びの涙を流した。

 だが、彼は満足したわけではなかった。次にウィルバーフォースは、より大きな論争点へと思いをはせた。すべての奴隷を解放することだ。

 これにもまた、不屈の精神を要した。けれども1833年の夏、ついに奴隷制廃止法*7*案が議会を通過。その3日後に、ウィルバーフォースは天に召された。(*7* 奴隷制度廃止法、または奴隷解放法令は1833年に発布され、イギリス全土で奴隷制が廃止された。)

考えてみよう:

 もし君がウィルバーフォースの立場にいたら、どうする? 自分はたった1人の人間に過ぎないから、何の役にも立たないと思うかい?

 それとも、神が君の味方なら、不可能なことは何もないと信じるかい?

 ウィルバーフォースは1人の人間に過ぎなかったけど、神の塗油によって、当時の世界を変えたね。神がウィルバーフォースを用いて数え切れないほどの人々の心と人生を変え、こんなに大きなちがいをもたらすことができたなら、主は君の人生に、どんな特別なご計画と目的を持っておられるだろうね!

祈り:

 イエス様、一見困難な状況でもおそれないように助けてください。あなたがそばについていてくださるなら、すべてのことが可能だと信じます。ですからどうか、わたし(ぼく)の人生にあなたが用意しておられる計画を全うするための勇気と決意を与え、塗油してください。

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タグ: 神の偉大な人々, ねばり強さ