一口サイズの目標
君は成長し、前進したいと思っているよね。でも長期間の目標を見ると、一歩一歩が単調でつまらなく見え、一体そこまで到達することなんてできるのかなぁって思うかもしれない。だけど、一歩一歩をきちんと進んでいくことこそが、確実に、純粋な勝利をもたらすんだよ。
例えば、ケーキを作りたいとしよう。キッチンには、ケーキを作るための材料が全部そろっている。作り始める準備も整った。さて、作り方の手順を見て、君はこう思う。(バターをやわらかくし、そこに砂糖を入れ、卵を一つずつかき混ぜて入れなくちゃいけない。(一つずつだってぇ?! それって、一体どうしてなんだ?)
君はむしろ、ボウルをわきの下にかかえてキッチン中をかけ回りながら、材料をでたらめに放り込んで全部いっしょくたにかき混ぜ、それを焼き皿に流し込んで焼いてしまいたい、と思うかもしれない。それか、ケーキの生地を焼かずに、そのまま食べてしまいたいかも。結局のところ、生地のままだって、結構おいしいだろ?
人生で新しいことを学ぶのには、ちょうどケーキを焼く時のように、段階的な過程がある。ケーキを作るためには、まず計量し、ふるいにかけ、泡立て、材料を混ぜなくてはならない。生地を流し込む前に、焼き皿に油をぬらなくてはいけない。それから、ケーキが焼き上がるのを待つんだ。こういった段階のすべてには、時間がかかる。だけど、ケーキを上手に焼くためには、そのための方法や手順というものがあるんだ。
さて、それを生活技能を学ぶことに当てはめてみよう。目標に到達するために踏まなければならない手順を、全部考えてごらん。それを、一口サイズの目標に分けるんだ。一度にかめる量よりたくさんかじり取ろうとしたり、一度に全部を口につめこもうとしたりしてはいけないよ。そうでないとのどにつまって、気を落とすだけだからね。
例えば、もっと親切になるとか、しんぼう強くなるとか、思いやりを持つなどの特定な分野でもっとよくやろうと働きかけているなら、1度の祈りや、決心した瞬間に、突如として新しい人に生まれ変わり、ほかの人のあやまちを大目に見るのが簡単になるとか、ただちに自分よりも他の人たちの必要を思いやれるようになるとか、人に対していつも親切で礼儀正しく応対できるようになるなんて、期待してはいけないよ。
直面するチャレンジに対して一口大の目標を持つのは、他の人に対して親切になるという目標に対して、その日何ができるかをイエス様に聞くようなものなんだ。もしかしたらイエス様は、愛情深くなるという第一歩として、弟に君のゲーム・ボーイを貸してあげるようにと言われるかもしれない。または、君のママが家事のすべてを一人でしなくて済むように、何かのお手伝いを申し出るようにと言われるかもしれないよ。
それか、主は君を、普通はあまり話さない人に対して親しく接するようにと導かれるかもしれない。今言ったような事柄は、どれもものすごく大きな達成には見えないけれど、その一つ一つが、目標に向かって正しい方向に前進するための、一口サイズの一歩なんだ。
変化を求める気持ちは、正しい方向に向かうためのすごく大きな一歩なんだ。物事をなかなか改善できないからといって、がっかりしてはいけないよ。目標に向かって、それらの一歩一歩をたゆまず進んでいくことで、勝利はやって来るんだからね。いつまでも続く、確かな勝利だよ。後で振り返って、心からうれしく思えるような変化が起こるんだ。