へブル人への手紙第11章の冒険物語、パート2
聖句はすべて口語訳聖書より
お父さん:「信仰によって、アベルはカインよりもまさったいけにえを神にささげ、信仰によって義なる者と認められた。神が、彼の供え物をよしとされたからである。」(へブル人への手紙 11:4) 神様は、アベルにもカインにも、供え物を持って来るようにと言われたんだ。
デリック:でも、神様はどうして、カインの供え物よりもアベルの供え物のほうを気に入ったの? 果物や野菜じゃなくて、子羊のほうがよかったの?
お父さん:聖書には、その理由まではくわしく書かれていないんだ。だけど、おそらく神様は、カインとアベルの行いよりも、神様に対する気持ちを見ておられたんじゃないかな。
カイン:(どうしてこんなこと、しなきゃいけないんだ? 面倒臭いなあ。)
アベル:多くの祝福を与えて下さったあなたに捧げます。
お父さん:へブル人への手紙第11章の次の物語は、エノクについてのお話だ。ノアの時代、世の中はすごく邪悪になって、神様は洪水で世界を一掃しようと決心された。
カルビン:エノクは、ノアのひいおじいちゃんだね!
お父さん:だから、世の中はエノクの時代にはすでに邪悪になり始めていただろうね。*1*
デリック:創世記5:24には、「エノクは神とともに歩」んだって書かれているよ。
お父さん:みんなが好き勝手なことをして、神様の御心に関心を向けない時、神様が自分に求めておられることをするには、目に見えない神様を信じる強い信仰が必要だ。
トラブルメーカー1:お前も来いよ!
トラブルメーカー2:ひと騒ぎ起こそうぜ!
エノク:いや結構だ。私は友との語らいを楽しんでいるんでね。
カルビン:「信仰によって、エノクは死を見ないように天に移された。神がお移しになったので、彼は見えなくなった。彼が移される前に、神に喜ばれた者と、あかしされていたからである。」(へブル人への手紙 11:5)
お父さん:信仰を生き抜くエノクの信心深い暮らしは、神様にとても喜ばれた。それで、神様はエノクを移された。つまり、死ぬことなく、地上から神様の元へ連れて行かれたということだ。単に地上から移されたんだよ。
創世記5:21-24で、このお話を読んでみてね。
お父さん:「信仰がなくては、神に喜ばれることはできない。なぜなら、神に来る者は、神のいますことと、ご自身を求める者に報いて下さることとを、必ず信じるはずだからである。」(へブル人への手紙 11:6)
アビー:まあ、かわいいワンちゃん!
カルビン:きっと、エサが欲しいんだよ。
お父さん:その子犬は、欲しいものがもらえるって思わなかったら、そばには来なかっただろうね。
アビー:名前はルーファスにするわ。
デリック:子犬は、ぼく達を信じてる。それが、ぼく達をうれしい気持ちにさせてくれる。
アビー:そうなの?
お父さん:そうだよ! ちょうどさっきの節みたいにね。私達は、神様の元に行く。それは、神様が私達の世話をして下さり、必要なものを与えて下さると信じているからだ。信仰は前提条件で、そもそも神様に近づくためには、信仰が必要だからね。
アビー:ルーファスには、信仰があるのね!
デリック:「信仰によって、ノアはまだ見ていない事がらについて御告げを受け、恐れかしこみつつ、その家族を救うために箱舟を造った。」(へブル人への手紙 11:7)
お父さん:全世界が水没すると神様が言われた時、ノアは神様を信じなければならなかった。
男性1:なんてヘンテコな形の家なんだ。
男性2:やつはきっと、日に当たり過ぎたんだろ。
ノアの息子:こんな暗い空は、見たことないよ!
ノア:無理もないな。
デリック:「その信仰によって世の罪をさばき、そして、信仰による義を受け継ぐ者となった。」(へブル人への手紙 11:7)
アビー:神様の言葉は真実ね!
ノアと箱舟についてのお話の一部始終は、創世記の第6-9章で読んでね。
カルビン:「信仰によって、アブラハムは、受け継ぐべき地に出て行けとの召しをこうむった時、それに従い、行く先を知らないで出て行った。」(へブル人への手紙 11:8)
サラ:私達、住み慣れたこの土地を出て行かなければいけないの?
アブラハム:神が、そう言われたからね。何が起こるかは分からないけれど、神が私達を導き、世話をして下さることは、分かっているよ。
カルビン:「彼は、ゆるがぬ土台の上に建てられた都を、待ち望んでいたのである。その都をもくろみ、また建てたのは、神である。」(へブル人への手紙 11:10) 「これらの人はみな、信仰をいだいて死んだ。まだ約束のものは受けていなかったが、はるかにそれを望み見て喜び、そして、地上では旅人であり寄留者であることを、自ら言いあらわした。」(へブル人への手紙 11:13)
アブラハム:神は、より良い場所を約束して下さった。ここは、私達の最終地点じゃないんだ。
お父さん:神様は、アブラハムとその子孫にカナンの地を与えると約束され、アブラハムと契約を結ばれた。その約束はアブラハムが生きている時には実現しなかったけれど、長い年月の後に実現したんだよ。
神様がアブラハムと結ばれた契約については、創世記の15:5-18で読んでね。
お父さん:「しかし実際、彼らが望んでいたのは、もっと良い、天にあるふるさとであった。だから神は、彼らの神と呼ばれても、それを恥とはされなかった。事実、神は彼らのために、都を用意されていたのである。」(へブル人への手紙 11:16)
アブラハム:神が約束を守って下さることは、分かっておる。
神様:あなたのために、わたしはとてつもなく素晴らしい場所を用意しているよ!
続く・・・
脚注:
*1* ユダの手紙 14-15
文:R.A.ワターソン 絵:ゼブ デザイン:クリスティア・コープランドCopyright © 2012年、ファミリーインターナショナル