やもめと 不正な 裁判官
ルカによる 福音書 18:1ー8の 再話、祈りについての 教訓
イスラエルの ある 町に、人に 対して 情けを 持たない ことで 知られた 裁判官が いました。裁判官の 仕事は、人々の かかえる 問題を 聞き、何らかの 解決策を とることでした。けれども、この 裁判官は 神を おそれず、庶民の かかえている 必要など 気にも 留めませんでした。
さて、そこに 貧しい やもめが いました。夫に 先立たれ、子供たちを かかえて 一人ぼっちに なってしまったのです。
ある日の こと、やもめが 裁判官の もとへ 来ました。彼女の 家族に いろいろと めんどうを かける 人が いるので、相談に 来たのです。
「住む 家が なくなってしまうのでは ないかと 心配です。わたしたちには もう、家しか 残って いないのに!」と、やもめは 言いました。
年老いた 裁判官は、しかめっ面を しました。(フン! 問題を かかえた やもめなど、うんざりだわい。わしには、ここに 座って やもめの 話を 聞くよりも 大事な 仕事が あるのじゃ。)
裁判官は ぶつくさ 言いました。「女よ、わしが いそがしいのが 見えんのか! あんたの つまらぬ 問題など、聞いてる ヒマは ないんじゃ。帰りなされ。もし 問題が 続くようなら、そのうち、いそがしい 合間を ぬって 話を 聞いてやらんことも ないかも しれんが。まあ、当てに しない ことだ。さっさと 帰りなさい!」
けれども、やもめは あきらめませんでした。
やもめは 何度も 何度も 裁判官の ところに 来ては、うったえ続けました。そして とうとう、裁判官も 何とか しようと 思ったのです。
(わしは この女に 起こっている ことなんて、関心も ないが、もし 何も しないで いるなら、この女は 何度でも もどって来て、わしを なやますに ちがいない!) そう 思った 裁判官は、彼女に 問題を 起こす 人たちが これ以上 問題を 起こせないように、やもめの ために なる 判決を 下しました。
イエス様が この 物語を 話し終えると、弟子たちに たずねました。「この 不正な 裁判官の 言っている ことを 聞いたか? もし 不正な 裁判官でも、やもめが うるさくて かなわないからという 理由だけで そこまで するなら、まして 神は、ご自身の 子供たちの さけび声に 耳を かしてくださらないだろうか? 言っておくが、神は、子供たちのために 正しい 裁きを してくださるだろう。」
神様は、そのような 冷たく 無情な 裁判官とは 全く ちがい、わたしたちの 祈りに 答え、必要な ものを 与えたいと 願っておられます。神様が 答えを もたらすのに、1回だけでは なく、もっと 祈らなければ ならない 物事も あります。ですから、神様が 答えてくださるまで、神様の 愛情深い 世話を 信頼し続けることが 大切です。
また、必ずしも わたしたちが 祈りで 切に 求め続けた 形で 神様が 答えを もたらしてくださるとは 限らないと 理解しておくことも、大切です。わたしたちが 望んだ 形では なく、ちがった 形で 神様が 答えてくださったと しても、神様が 公明正大な 愛情あふれる 父であることに 変わりは ないことを 思い出して、元気を 出しましょう。神様は、最善で あると ご存じの 方法で、ご自身の み心に 沿って、ご自身の タイミングに 答えてくださるのですから。