マイ・ワンダー・スタジオ
小さな 赤い めんどり
水曜日, 4月 8, 2020

小さな 赤い めんどり

「お父さん! お父さん!」と、ジェイムスが さけびました。「草原の 向こうで、火が 上がってる! それに、にわとり小屋や 納屋の 方に 向かって、風が ふいてるよ!」

「ああ、お父さんも 見たよ!」 空の バケツを いくつも 手に 持った お父さんが、池に 向かって 走りながら 答えました。「近所の 人達にも 応援を 頼んできたんだ。火が これ以上 広がらないうちに 消さないとな。」

野火は、ジェイムス一家の 土地を 囲んでいる さくに 近づいて きました。風は、火の粉を 彼らの 家の 方にも 舞い上がらせています。

にわとり小屋の 外では、ひよこの 兄弟達が、お母さん鳥の 周りに 集まってきました。

「お母さん、こわいよう!」と、1羽の ひよこが さけびました。

「熱いよ~。それに、けむりが 目に しみる~。」と、もう1羽の ひよこも 言いました。

お母さん鳥は、こわがっている そぶりを ひよこ達に 見せては いけないと 分かっていましたが、火の手は どんどん、どんどん、近づいてきます。お母さん鳥には、自分の 家族が 生き延びれるようには 思えませんでした。

「みんな、いらっしゃい。」 お母さん鳥は ひよこ達を よび寄せました。「こわがらなくて いいのよ。さあ、わたしの つばさの 下に お入り。熱い 炎から 守ってあげるからね。」

「お母さん、ありがとう。」 ひよこ達が 口々に 言いました。「お母さんの つばさの 下なら、安心だね。」

「これで よしと!」 ぬれた 手ぬぐいで ひたいを ふきながら、ジェイムスの お父さんが 声高に 言いました。「火が 消えたぞ。神よ、感謝します!」

「そこに あるのは 何だろう?」 ジェイムスが、そばで まだ くすぶっている かたまりに 近づいて、足で ひっくり返してみると・・・。

「あっ!」 ジェイムスは、思わず 声を 上げました。くすぶっている かたまりの 下から、6羽の ひよこ達が 飛び出してきたのです。「ぼく達の 赤い めんどりだ! ひよこ達を 守るために、お母さん鳥が 自分の 命を 投げ出したんだ!」 赤い めんどりを 見つめる ジェイムスの 目に なみだが あふれました。

お父さんが 言いました。「そうだね。ひよこ達を 救うために 自分の 命を ささげたんだね。ちょうど、わたし達を 救うために イエス様が ご自分の 命を ささげられたようにね。イエス様は わたし達を 救うために、十字架の 上で 無残な 死に方を されたんだ。」

お父さんは ジェイムスの 肩に 腕を 回して 言いました。「だから、だれでも、自分の 人生に イエス様を むかえ入れるなら、神様の 大きな 愛を 経験することが できるんだよ。イエス様が わたしたちの 罪のために 身代わりと なって 死んで くださった おかげで、わたし達は 死ななくて いいんだ。」

ジェイムスが 祈りました。「イエス様、愛する 赤い めんどりが ひよこ達を 救うために 自分の 命を 捨てたことを 通して、イエス様が どんなに ぼく達を 愛しているか 教えて くださった ことを 感謝します。イエス様は 何年も 昔に、ご自分の 命を 捨てて くださいました。そんなにも ぼく達を 愛して くださっている ことを 感謝します。」

「人が その 友のために 自分の 命を 捨てること、これよりも 大きな 愛は ない。」(口語訳聖書、ヨハネによる福音書 15:13)

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タグ: イエス様, 救い, イースター, 生きることと死ぬこと