マイ・ワンダー・スタジオ
牧場の 仲間たちの くらし : 尊敬を 示すほうが 勝ち
水曜日, 3月 22, 2017

牧場の 仲間たちの くらし:尊敬を 示すほうが 勝ち

ビープビープ:

今日は、ぼく、カラスの ビープビープが 学んだことに ついての お話だよ。

自分が 一番 えらいなんて 思って

弱い 者を 見下すのを やめて、

柔和な 者たちを 感謝することを 学んだんだ。

ぼくたちの 牧場での 夏のこと。

草むらの 囲いに、3羽の ひよこが いた。

牧場主が 実に よく 面倒を 見ていたよ。

ぼくは、ひよこたちの 友だちに なることに した。

木から 木へと、行きたい 所は どこへでも

飛んで 行ける 自由を 満喫しながら、

自分は 最高だと 思っていた。

それで、ひよこを からかったんだ。

「君たち、かわいそうにね。

ちっちゃくて 無知だから、

牧場主は 君たちを せまい 所に 囲って、

守ってあげなくちゃ いけないんだね。

ぼくなんかは、いつも 気ままな もんさ。

自由に 動き回れるんだ!

納屋で エサになる 虫を 探していたと 思ったら、

次の 瞬間には 木の てっぺんさ。

ああ、どこにでも 飛び回れる ぼくは

何て 自由なんだろう。

1日中、楽しいことが いっぱい できるんだ。

だって ぼく、頭が いいんだもん。」

ひよこたち:

「わたしたちだって、とっても 幸せなのよ、ビープビープ。

あなたみたいな カラスの お友だちが いるんだもの。

牧場中を 飛び回って、ここにも 来てくれるものね。

あなたは 賢くて、何でも 知ってるわ。

いろいろと 考え出しちゃう ことには、ビックリよ。

あなたを 止めるものは、何も ないわね!」

ビープビープ:

「あ~、ありがとう。

ぼくみたいに 利口で 賢い 鳥が

君たちみたいに 単純な 鳥と 友だちに なるなんて、

確かに 普通の ことじゃ ないものね。

牧場主は ぼくが 利口だって 知っているから、

何でも 好きな 物を 食べさせて もらえるんだ。

犬の エサだって 食べられるし、

木から 新鮮な 実を ついばむことも できるからね。

だけど 君たちには、牧場主が エサと 水を

必要な 分だけ 少しずつ くれるよね。

囲いの 外に 出てしまうと、君たちが 毒草を

食べて しまわないかと 心配なんだろうね。

つまり、君たちは 自由に なっても、

自分たちだけでは エサや 休む 場所を

見つけられないって ことさ。

感の するどい ぼくと ちがってね。

君たちが おいしそうだって ネコたちに

ねらわれるのも、牧場主は 心配なのさ。

腹ペコな ネコたちは、ちゅうちょなく おそいかかって、

あっという間に 君たちを 平らげてしまうだろうからね。」

ぼくに そんなことを 言われて、

小さな ひよこたちは どう 思ったただろう?

自信を 持てたかな?

そんなはず、あるわけ ないよね!

だけど、全く 驚いたよ。

こっちが はずかしいくらいだ。

ひよこたちは 全然 おこらなかったんだ。

おこって 当然なのにね。

それから、ある日のこと。

犬の シドが、ぼくに 話しかけてきた。

シドは ぼくに、彼が ネコと 話す時、

ぼくみたいな 話し方を するのを

聞いたことが あるかいって 言うんだ。

シドと ネコたちが どうして そんなに 仲が いいのか、

ぼくには 全く 理解できなかった。

普通なら、犬と ネコは 敵同士で、

たがいに 張り合いそうな ものなのにね。

だけど、シドが 言うには、

ネコたちは いつも 最高の 友だちなんだって。

それだけじゃ ない。夜には、自分たちの 体と 毛の 温もりで

シドを 温めてくれるそうなんだ。

小さな ひよこたちは、

実に、謙虚さの 達人だった。

ぼくの じまん話に 反論するような ことなんて、

一言も 言ったことが ないしね。

「ぼく、あやまりに 来たんだ。

横柄な 態度を 取って、ごめんね。

ゆるして くれるかい。

君たちの 好意には 値しないけどね。」

ひよこたち:

「ビープビープ、あなたは いつも わたしたちの 友だちよ。

時には、言われたことで 傷つくことも あったけれど、

わたしたち、たとえ あなたが 気付かなくても

ゆるして あげようって、決めたの。

だって、友だちって、とても 大切だもの。

わたしたちには 仲間が いるでしょ。

だから、あなたには 友だちや 兄弟が いなくて

ひとりぼっちに なって ほしく なかったのよ。

だから、傷ついたことは 忘れて、

いい お友だちとして あなたに 接することに したの。

尊敬を 示していれば、いつか きっと、

あなたの じまんしたがる 気持ちも 変わってくるだろうって 思ったのよ。」

ビープビープ:

ということで、読者の みんな。

かくして ぼくたちは、へだたりを うめることが できたんだ。

人を 傷つけるような 横柄さに 打ち勝つためには、

真心の こもった 友情を 育むことだよ。

ダウンロード
タグ: 子供のための物語, 親切と礼儀, 友情, 詩, 牧場の仲間達の暮らし