牧場の 仲間たちの くらし
やあ。ぼくの 名前は、ビープビープ。
みんなの 案内役を つとめる カラスだよ。
これから、ぼくたちが 牧場で くらす
様子を お伝えするね。
この牧場の 動物たちは みんな、すごく 仲良し。
これから ぼくたちの 物語を 話すよ。
さあ、ゆっくり くつろいで、
お話を 楽しんでね。
友だちに なるのか、あざ笑うのか
昨夜、納屋に もどった時の ベツィ。
悲しそうな 目を していたよ。
スターが ベツィに 聞いた。「どうしたの?」
ベツィは、いやに なっちゃうと こぼした。
「牧場に いる め牛たちったら。
わたしのことを からかうのよ。
毎晩 納屋に もどるなんて、
ばかげているわって。」
「だけど、わたしが 納屋に もどるのは、
お乳を 出すためなの。
牧場主の 子供たちが じょうぶに 育つようにね。
わたしに そっくりな 子牛にも、
お乳を あげるのよ。」
「ベツィが 納屋に もどらないと、さびしいわ。
毎晩 いっしょに 過ごして、
朝も いっしょに むかえるのは 楽しいもの。」
「牧場の め牛たちは、
夕ご飯に オーツを もらえないのよ。
あなたは ごちそうを もらってるなんて、
得意気に 言いふらしたり してないわよね?」
「実は・・・つい 口走っちゃったのよ。
こんな ごちそうを もらえるなんて、
わたしは きっと、大切なんだわってね。」
「明日、わたしが いっしょに 行って、
め牛たちに 話してあげるわ。
あなたに いやがらせを しないようにって、
はっきり 分からせてあげる。」
「待って、それは 助けに ならないわ!
いやがらせの 仕返しに、おどかして 追っぱらうために
あなたを 連れて来たって 思われちゃうわ。」
「牧場主に 相談しては?
め牛たちに やさしく するようにって 言い聞かせて もらうの。
あなたが もらっているのは オーツじゃ なくて、
米だったんだとか 言って、なだめて もらうのよ。」
「みんな、親身に なってくれて、ありがとう。
もう おそいから、ねるわ。
あしたは 何事も ないと いいんだけど。」
夜が 明けると、チャボの おんどりが 大きな 声で 朝を 告げた。
新しい 1日の 始まりだ。太陽が のぼってくると、
ぼくは ベツィの 様子を 見に、まい下りて きた。
「みんな、おはよう!
わたしね、よく ねて、よく 考えてみたの。
やっぱり、め牛たちに あやまるわ。
わたしが じまんしたから、反感を 買っちゃったのよ。」
ベツィは、仲間の め牛たちを さがしに、
ゆうかんに 門を 出て行った。
たやすい ことじゃ ないと 分かっていたので、
助けを 求めて 祈ったよ。
「牧場に いる みんなに、あやまるわ。
自分の 特権を じまんするなんて、
みんなに いやな 思いを させてしまったわ。」
「わざわざ あやまりに 来てくれて、ありがとう。
わたしたちも、あなたに あやまらないと。
夕べ みんなと 話したんだけど、わたしたちも、
意地悪な ことを 言ってしまって、はずかしいわ。」
「あなたに とっても、大変よね。
毎晩 納屋まで もどらなくちゃ いけないのは。
お乳が 張っていたら、さぞかし 重いでしょう。
とっても 骨の 折れる ことだわ。」
「牧場主の 家族も、栄養たっぷりの 牛乳が 必要だから、
あなたに 余分な 栄養の ある ものを くれるんだわ。
あなたの 健康を 気づかっているのよね。」
「わたしたち、あなたが 仲間で うれしいわ。
いつでも 牧場に 遊びに 来てね。
いっしょに 楽しみましょう。
わたしたちは みんな、仲間。」
め牛たちは、牧場で また いっしょ。
1度は けんかに なったけど、
今は いっしょに 楽しんでいる。
ちゃんと 仲直りしたからね。
この お話について 考えていたんだけど、
相手を あざ笑ったり するよりは、
仲良しで いるほうが、
幸せな 気分だよね。