マイ・ワンダー・スタジオ
庭 園
水曜日, 6月 9, 2010

庭園

 庭園の 手入れを、それは それは こまめに している 庭師が いました。ところが、ある朝 庭園に 行ってみると、木々や 草花たちが とても ふさぎこんでいるでは ありませんか。

 「おやまぁ、一体 どうしたんだ!」 庭師は 思わず 声を あげました。「草花たちや 木々は、どうして そんなに 悲しそうなんだい? 見事な カシの木君、何が 君を なやませているのかい?」

 カシの木が 悲しそうな 声で 言いました。「わたしは、カシの木で いるのが いやなのです。上品な 松の木のように、背が 高く なりたいのです。それなのに、わたしは 太っちょで ぶざまです。」

 松の木の 方を 向くと、庭師は たずねました。「松の木君、君は どうして そんなに しょげてるんだい?」

「世の中は 不公平です!」 松の木が 声高に 言いました。「わたしは ぶどうの 木だったら よかったのに。そうしたら、何千つぶもの ぶどうを ならせることが できたのに!」

 すると、ぶどうの 木が 出しぬけに 言いました。「わたしは、くねくねした 枝は いやだね。背が 高くて、大きな 実を ならせることの できる、桃の 木だったら よかったのになぁ。」

 庭師は 花だんに 目を やりました。すると、ゼラニウムが なみだを うかべています。「どうして 泣いているんだい? 君の すてきな 花びらが 悲しみで しおれているじゃ ないか。」

 「満足できないのです。」と、ゼラニウムが かん高い 声で 言いました。「すてきな 花を さかせる ライラックみたいに、あまい 香りを 放つことが できないんですもの。」

 「一体 どうしたら いいんだろう?」 庭師は 考えました。「かつて 美しかった わたしの 庭園が、今は こんなにも 悲しみで 満ちているなんて。」

 その時です。庭師は、陽気に ほほえんでいる ひなぎくに 気づきました。「かわいい ひなぎくよ、周りの みんなが 悲しんでいるのに、君は どうして こんなに 元気なんだい?」

 すると、ひなぎくは 言った。「はい、わたしは ただの 小さな ひなぎくですけど、今朝、こう 思ったんです。もし 庭師さんが わたしじゃ なくて、ほかの 花か 木が よかったら、ほかのを 植えてたでしょう? だけど、わたしを 植えてくださいました。だから わたしは、自分の できる限りを つくして、最高の 小さな ひなぎくに なろうと 思ったんです!」

 庭師は、そんな 小さな 花でも、彼の 大きな 庭園に いるのを 感謝しているのを 見て、うれしくなった。「わたしの 木々や 草花たちよ。」 庭師は みんなを 見回しながら 言った。「お前たちは、はずかしいと 思わないのかい? この ひなぎくは こんなに 小さいのに、めそめそしたり せずに、自分の 造られた さまを 喜び、感謝しているんだよ!」

 すると、今まで 不平を 言っていた 木々が 口々に 言いました。「自分が 造られた さまについて、もう 決して、ぐちを こぼしたり、ぼやいたり しません。植えられたことを 感謝します!」

教訓

 自分を 周りの 人と 比べたり せず、元気を 出して、喜ぼう。そして、最高の 自分に なろう。自分に あるものを すべて、感謝しよう。

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タグ: 子供向けのトラクト, 満足