牧場の 仲間たちの お話
め牛の ベツィ
もう 長年の 間、め牛の ベツィは、わたしたちの 家族が 飲む 牛乳を 出してくれていました。父は、毎朝 毎晩 乳しぼりを したものです。乳牛を 飼っている 農夫は、1回たりとも、乳しぼりを 欠かすことは できません。乳牛の 乳が たまると、必ず しぼり出さなければ ならないのです。
牧場に 住んでいる わたしたち 子供にも、仕事が ありました。その 一つは、放牧地に 出て行って、ベツィを 連れて来ることです。それは 一人で できる 仕事だったので、わたしたちは 交代で やりました。ベツィが 家の そばに いる 時は、歩いて すぐに 連れて来れるので、簡単でした。
けれども、遠くの 方に いるなら、馬の スターに 乗って、ベツィが いる 所まで 行かなくては なりません。
馬の スターは、牛追い用に 調教されていました。つまり、め牛が 行くべき 方向に 行くように 追う 方法を 知っているという ことです。とは 言っても、スターの 牛追いの 能力は、ベツィには 全く 不要でした。ベツィは スターが 来るのを 見ると、すぐに 納屋に 向かって 歩き始めるからです。ベツィは、夕方だから もう 納屋に 入る 時間だと 分かっているのです。
ベツィは、日課を ちゃんと 心得ていました。つまり、夜は 納屋に いなければ ならないという ことです。追いかけられるよりは、自分から 進んで 従うのです。それに、父が 乳しぼりを した 後は、ベツィの 大好きな からす麦が 一つかみ もらえることも、分かっていましたからね。
「あなたがたの 指導者たちの 言うことを 聞き入れて、従いなさい。」(口語訳聖書、ヘブル人への 手紙 13:17)