山で 道に まよう
実話!
森林警備隊員:ヨセミテ国立公園へ、ようこそ。しばらくの ご滞在ですか?
お母さん:一晩 ここで キャンプしたいと 思っていますの。
森林警備隊員:そうですか。キャンプ場は、道路を 少し 行った すぐ 先に ありますよ。
森林警備隊員:秋は、クマが 非常に お腹を 空かせている 時期です。食べ物や 身の 回りには、十分 気を 付けてくださいね。
お母さん:ここは どうかしら?
お父さん:そうだね、この 辺りが 良さそうだね。
お父さん:じゃあ、テントを 張ろうか。
昼食後
デービッド:(あの 山に 登ってみたいなぁ。だけど、普通の 道じゃ つまらないや。道が ない 所を 登りたいって言ったら、お母さんは 許して くれないだろうなぁ。だけど、登ってみたいなぁ。・・・この 地図が あるから、大丈夫さ。ここを 真っ直ぐ 登ってみよう。)
登山道を 通らずに 山頂まで 登るには 何時間も かかりましたが、ついに デービッドは・・・
デービッド:(ふう、やっと 着いたぞ。すごい ながめだ! 山の 頂上は、本当に ゾクゾクするなぁ!) ヤッホー! ぼくは 頂上に いるぞ! ヤッホー!
デービッド:(暗くなる 前に もどらないと。今 来た 道は、降りるには 急過ぎるな。地図に よると、滝の 上流の 道を 5kmほど 行けば、もとの 谷に もどれる はずだ。太陽が しずむと、この 辺りは こごえるような 寒さに なるぞ。)
しばらく 森の 中を 歩きましたが・・・
デービッド:(おかしいな。この 道は、何年も 人が 通って いない みたいだ。)
辺りは 暗く なってきて、道が よく 見えなく なってきました。滝の 水は、400mも 上から ごうごうと 音を 立てて 流れ落ちていました。
デービッド:(だれも 通ってない 訳だ。橋が 流されているもの! 川の 向こう側には 道が あるけど、一体 どうやったら、川を 渡れるだろう?)
川を 渡れる 所を 見つけるために、デービッドは 2kmほど 上流に 登りました。
デービッド:(渡れそうな 所が ないなぁ。泳いで 渡るにも、流れが 速過ぎるし。だけど、何とかして 向こう側に 渡らないと。)
デービッド:(つりを している 人が いる。) こんにちは! おじさーん! 助けて! 助けてくださーい!
4mも はなれて いないのに、川の 水が ごうごうと 音を 立てている せいで、男の 人には デービッドの 声が 聞こえませんでした。
デービッド:(どうしよう? 森の 中を 歩いたって、もどる 道なんか 絶対に 見つからないよ。寒いなぁ。マッチだって 持ってないし。それに、もし クマでも 出たら・・・。どこに 行くか、お父さんと お母さんに 話していたら、ぼくを 探しに 来てくれてただろうなぁ。) イエス様、どうか 助けてください。本当に あなたが 必要です。どうしたら いいか、教えてください!
イエス:デービッド、森の 中を もどりなさい。
デービッド:だけど、暗過ぎて、森の 中は 無理です。まよってしまいます。クマだって! それに・・・)
イエス:わたしが 案内してあげよう。
デービッドは 暗い 森の 中を、かすかに 見える 道に 沿って 走り出しました。
デービッド:(歌を 歌っていれば、クマは 寄り付かないかも。) 「ぼくの バケツには 穴が あいてる・・・」
デービッド:あれ? ぼくが 登って来た 所だぞ。イエス様、ここまで 導いてくださって 感謝します! この 先は、どうやって 下れば いいのかな? イエス様、教えてください。(ああ、雨水が 流れて できた みぞに 沿って 下れば いいんだね。)
デービッド:うわ! あぁ!
デービッドは せまい みぞの 中を 歩いて 下り始めましたが、真っ暗な 中で 山の 斜面を 1kmほど、ほとんど ズボンの おしりで 下まで すべり降りたのでした。
デービッド:(お母さん、おこってるだろうな。すごく 心配してるだろうな。)
真夜中の 2時ごろ、ついに デービッドが もどり、そうっと テントに 入ると、お母さんは 祈っていました。
お母さん:イエス様、どうか、デービッドが 無事に もどりますように。あなたは、あなたを 愛する 者の 回りに いて 守ってくださると 約束されました・・・*1*
デービッド:ただいま、お母さん。
お母さん:デービッド! デービッドじゃ ないの! どこに 行ってたのよ?
デービッド:山を 登ってたんだ。
お母さん:なぜ 行き先を 言わずに 行っちゃったの? わたしたち、ものすごく 心配したのよ。
デービッド:ごめんなさい。ちゃんと 言っておけば よかったよ。
お母さん:体が 冷えて、お腹も 空いてるでしょう。何が あったのか、話してちょうだい。
デービッドは、何が 起こったのか、母親に 話しました。
デービッド:・・・ずっと、だれかが ぼくの 行き先を 知ってたらなぁって、思ってたんだ。どういう 計画か、ちゃんと 話していたら、こんな バカな ことを しなかったと 思うよ。
祈って、イエス様に 導きと 保護を 求めるのを 忘れないように しましょう。「彼は 羊の 先頭に 立って 行く。羊は その声を 知っているので、彼に ついて行くので ある。」(口語訳聖書、ヨハネによる 福音書 10:4)
脚注:
*1* 詩篇 34:7参照