マイ・ワンダー・スタジオ
忠実な フレッド
水曜日, 7月 8, 2020

忠実な フレッド

昔、ある 小さな 農業の 町に、フレッドという 少年が いました。フレッドは 10歳で、一人っ子でした。子供も 大人も、町じゅうの 人達が、この 元気いっぱいの 少年に 感心していました。彼は、いつも 喜んで 人の 助けに なろうと していたからです。お父さんは 町の 食料雑貨店を 経営していて、フレッドは 店の 手伝いも よく していました。

 フレッドには、とても かわいがっている ネコが いました。お父さんが 用事で 店を 留守に し、お母さんも 家の ほうに いて、フレッドが 店番を する時、話し相手は ネコの フラッフィーくらいしか いませんでした。フラッフィーは、店じゅうを 走り回っては、ネズミや 虫を つかまえました。時には、フレッドも いっしょに 走り回って 遊びました。もちろん、だれも お客さんが いない 時に。

 ある 夏の 日の 夕方のこと。フレッドの お父さんは、品物を 仕入れるために 近くの 町へ 1日中 出かけていました。フレッドは、窓から 他の 少年達が 遊んでいるのを ながめていました。

 「来いよ、フレッド。いっしょに 遊ぼう。」 友達の エイブが 呼びました。

「それが、だめなんだよ。」と フレッドが 答えました。「お父さんが 帰るまで、店番してなきゃ いけないんだ。でも、さそってくれて ありがとう。」

「いいじゃ ないか。」と エイブ。「おまえが 店に いなくたって、お父さんには 分かりっこ ないさ。それに、お客さんだって、もう 20分も 来てないじゃ ないか。」

 フレッドは ちょっと 考えて、頭を ふりました。「悪いけど、今は いっしょに 遊びに 行けないんだ。ぼくが ちゃんと 店番を してるって、お父さんが 信頼してくれてるからね。」

「好きに しろよ。」 エイブは つぶやきながら、他の 少年達と いっしょに 行ってしまいました。

 フレッドが ため息を つきながら ふり返ると、お店の 裏口に お父さんが 立っていました。「お帰りなさい、お父さん。」 フレッドは にっこりしました。

 「ただいま、フレディ。」 フレッドが ハグを すると、お父さんが 答えました。

 「早く 帰れて 良かったよ。」と お父さんが 言いました。「ちょうど、おまえが エイブと 話してるのが 聞けたし。友達と 遊ぶ 代わりに 店番を しているのが 楽じゃ ないのは、百も 承知だ。心の 内で 正しいと 分かっている ことを し、責任を 果たすために 正しい 選択を したことで、おまえを 誇りに 思うよ。」

 フレッドは、とても うれしく なりました。お父さんが ほめてくれると、いつも 幸せな 気分に なります。「家まで ひとっ走りして、母さんに わたしが もどった ことを 伝えたら、友達と いっしょに 遊びに 行って いいぞ。」と お父さんが 言いました。「店は 父さんが 見るから。」

 フレッドは 大喜びで、家に 走って 行きました。

 フレッドは、とても 貴重な 教訓を 学びました。責任は、最後まで きちんと 果たすのが 最善だと いうことです。たとえ その時 だれも 見ていないと 思っても、心の 中では、神様が いつも 見ておられ、自分の 行いは すべて 神様に お見通しだと、フレッドには 分かっていました。それが、正しいと 知っている ことを 選択させてくれるのです。

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タグ: 子供のための物語, 責任, 自己鍛錬