妹が 遊びに 来たら
「エイミー、ダメだよ!」と、ブライアンが さけびました。でも、お母さんが 来て 彼女を だき上げる 前に、赤ちゃんの エイミーは、ブライアンと ジェーンが レゴで 作ったばかりの 管制塔を たおしてしまいました。
「エイミーが いつも、わたしたちが 作った ものを たおしちゃうの。」 ジェーンが 泣きべそを かきながら 言いました。
「エイミーには 別に 悪気は ないのよ。」と、お母さんが 言いました。「まだ ちっちゃくて、あなたたちが 一生けん命 作った ものを めちゃくちゃに してるって ことが 分かって いないだけなの。どうやって 遊んだら いいか、教えて あげたら どうかしら?」
そこで ブライアンは 言いました。「おいで、エイミー。タワーを 作るの、手伝って くれる?」 ブライアンは おもちゃ箱から 積み木を 取り出して、一つずつ 積み重ねて 見せました。
「がう!」 最後の 積み木が 乗せられると、エイミーは 手を ふり上げ、あっという間に 積み木の タワーを ばらばらに つき飛ばして しまいました。
「エイミーって、子犬の スコットみたいだわ。」と、お母さんが 言いました。
「子犬の スコットって?」 ブライアンと ジェーンが たずねました。
「お母さんが 小さかった 時ね、スコットっていう 子犬を 飼っていたの。とっても かわいい 子犬だったんだけれど、いつも いたずらばかり してね。スコットが うちに 来るまでは、友だちの サリーと、何時間も お人形ごっこを していたんだけど、スコットが 来てからは、わたしたちの 遊び時間を じゃまするように なったの。人形に かみついたり、おもちゃの 家具を くわえて 行っちゃったり、お人形の 家を たおして めちゃくちゃに したりね。」
「ある日、人形の 家の 中に いろんな ものを 置いて すてきに セットした ちょうど その時、スコットが 部屋に 飛びこんできて 人形の 家に 飛びついた ものだから、みんな めちゃくちゃに なっちゃったの!」
「サリーと わたしは すごく おこって、スコットを しかったのよ。だけど お父さんが、スコットは 別に 悪気で やった わけじゃ ないよって 言ったの。わたしたちが 楽しく 遊んで いるのを 見て、いっしょに 遊びたかっただけだって。スコットは まだ 子犬で、どうやって 遊ぶか 学んでいる ところだったのね。わたしたちが スコットの 相手を してあげなくちゃ いけなかったのよ。
それで、わたしたちは スコットを 庭に 連れ出す ことに したの。そして いっしょに 遊んで あげたら、すごく 喜んでね。それからは、お人形遊びを する 前に、スコットと いっしょに 遊んで あげるように したの。そしたら スコットは、人形の 家を めちゃくちゃに したり、わたしたちの 遊び時間を じゃましたり しなく なったのよ。」
「エイミーは、まるで 子犬の スコットみたいだね。ぼくたちが おもちゃで 楽しそうに 遊んで いるのを 見ると、いっしょに 遊びたく なるんだね。だけど、まだ 小さくて 分からないから、おもちゃを たおしちゃうんだね。」と、ブライアンが 言いました。
「わたしたちが もっと いっしょに 遊んで あげて、遊び方も 教えて あげたら、そのうち 分かるように なるんじゃ ないかしら。」と、ジェーンも 言いました。
「それは いいわね。みんなで いっしょに 遊べる ことを 見つけるのよ。仮装とか、ままごととかね。」と、お母さんが 言いました。
「それが いい!」と、二人も 声を そろえて 言いました。
お母さんが 仮装用の 服が 入った 箱を 取りに 行っている 間、ブライアンと ジェーンは エイミーに、どうやって カップと お皿を テーブルに 並べるか、やって 見せました。
エイミーは いっしょに 遊んで もらえて うれしそうでした。ブライアンと ジェーンも、エイミーと いっしょに 遊ぶのが すごく 楽しい ことに 気付きました。エイミーが そばに いない ことも あるので、そういう 時は、二人は もっと 小さな おもちゃで 遊ぶ ことが できます。でも、今では エイミーが いても、楽しく 過ごせると 分かっています。