海の 底で
ある日の ことです。あざやかな オレンジ色の ヒトデの ファイブと、小さな エンゼルフィッシュの エルフィー、それに タツノオトシゴの サミーが、いっしょに 遊んでいました。3びきは、海底の 砂に もぐり 体を くねくね 動かして 砂を はね上げ、できた 丘を お城に しました。王様は サミー、ファイブは 勇かんな 騎士です。エルフィーは 家来の 役で、戦いから もどってきた 勇士 ファイブの 栄誉を たたえる パーティーの 準備で いそがしくしていました。
それを、クラゲの ジミーが 見ていて、少し うらやんでいました。本当は 自分も その 3びきと いっしょに 遊びたかったのに、お高く とまっていて、いっしょに 遊んでも いいかなどとは たずねたく なかったのです。
「君たち、くだらない こと して 遊んでるなあ。この 砂の 丘、ちっとも お城なんかに 見えないじゃ ないか。ぼくの 足先で ちょっと おせば、たちまち ぺしゃんこさ。」 そう 言うと、ジミーは 笑いながら 足で お城を ぺちゃんこに してしまいました。
「らんぼうだなあ、ジミーは。いっしょに 遊びたいのかい? きっと 楽しいよ。」と サミーが 言いました。
「え? この ぼくが、君たちと 遊ぶだって? ハハ! ぼくは もっと ましな ことを するよ。ぼくは 君たちなんかよりも、ずっと 頭が いいんだ。ぼくの 遊びは 君たちには むずかしすぎて、無理だよ。」
サミーは、ジミーに 友だちが いない ことを 知っていました。いつも みんなに 意地悪するからです。ほかの クラゲたちでさえ、ジミーと 仲良く なれないくらいなのです。そんな ジミーが かわいそうで、仲間に 入れてあげたいと 思いました。「君の 知ってる 遊びを してみたいな。みんなも、どうだい?」 サミーは ファイブと エルフィーの方を 向いて、言いました。
「いいとも。」と、熱の こもった 返事が 返ってきました。みんな、新しい 遊びが できる ことに、わくわくでした。
「じゃあ、かくれんぼを しよう。君たちが 先に かくれろよ。すぐに 見つけてやるから。その 次は、ぼくが かくれるからね。そしたら、君たちが ぼくを 見つけるんだぞ。」 ジミーは くすくす 笑いながら そう 言うと、数え始めました。「100まで 数えるからね。1-2-3・・・。」
「どこに かくれようか? 砂の お城を 作って かくれても、ジミーに たちまち け散らされちゃうだろうしな。」 エルフィーは ちょっと 心配そうです。
みんな、ジミーに 見つからないような いい 場所が 思いつきません。
「あっちの 方は どうだろう?」 大きくて 色とりどりの サンゴ礁の 方を 指さしながら、ファイブが 言いました。「ばらばらに 分かれて かくれるんだ。」
エルフィーと サミーは うなずいて、みんな、すばやく かくれました。
「もう いいかい。」 100 数え終わった ジミーが さけびました。
ジミーは 辺りを 見回しましたが、3びきの すがたは どこにも ありません。楽しそうに あっちこっち 泳ぎ回りながら、みんなを 探しました。いっしょに 遊ぶのって、楽しいなと 思いました。さて、サミーは 見つかりましたが、エルフィーと ファイブが 見つかりません。サンゴ礁は とても 大きいのです。ジミーは くすくす 笑いながら 言いました。「負けたよ、エルフィーと ファイブ。出てきて。」
すぐに エルフィーと ファイブが 出てきて、ジミーと サミーの 所へ 泳いできました。
「みんな、上手に かくれたね。ぼく、すぐに 見つかると 思ったんだけどな・・・。」 ジミーは ファイブの 方を 見てから、エルフィーを 見、最後に サミーの 方を 見て、はずかしそうに たずねました。「ねえ、明日も また、いっしょに 遊んで いい?」
「もちろんだよ!」 みんなは 声を そろえて 言いました。「いっしょに 遊ぼう!」
その 日から、4ひきの 仲良したちは、毎日 いっしょに 遊びました。3びきは、新しい 友だちが できるのって、ステキだなあと 思いました。そして ジミーは、もし 友だちが ほしいなら、みんなの 前で いばるのでは なく、やさしくする ことを 学びました。