マイ・ワンダー・スタジオ
リリーと 庭
火曜日, 2月 24, 2015

リリーと 庭

 昔々、あるところに、小さくて きれいな 庭が ありました。その庭には、リリーという 名前の、まっ白で 美しい ユリの 花が 1本 生えていました。リリーは、すずしい 池の そばに 生えていました。すずしい 池は、リリーに 自分の 水を 飲ませ、リリーが 幸せで、また 大きくなれるように、手助けを しました。池は、かわいらしい 白い 花びらで 自分を 元気づけてくれる リリーが 大すきでした。

 リリーには、友だちが たくさん いました。まわりには 緑の しばふが 一面に 生え広がり、そのおかげで、リリーは あたたかく 気持ちよく すごすことが できました。

 地面は、リリーが 大きく じょうぶに 育つように、よう分を 与えてくれました。やさしい 風は そよ風を 送って リリーの ほおに キスし、リリーが すぐに おれたり せず、しなやかに なるのを 助けてくれました。

 そんな ある日の こと。一つぶの 種が、リリーの すぐそばに 落ちてきました。(ただの ちっちゃな 種だわ。べつに 害は ないわね。) リリーは そう 思って、種が そのまま 育つのに まかせました。

 けれども、この 種は ふきげんな 種でした。池に 向かっては 水が 多すぎると ぐちを 言い、地面には 「暑苦しいなあ!」と つぶやきました。しばふには 「チクチクするじゃ ないか! もっと 日に 当たりたいんだ。どいてくれよ!」と、もんくを 言いました。そして リリーを 見上げると、「おれ様は、お前さんなんかよりも ずっと 大きく なって、もっと きれいな 花を さかせるんだ!」と 言いました。その 小さな 種から 育った 雑草は、えんえんと、不平や もんくばかりを 言っていました。

 リリーの 友だちは、この 雑草が もんくばかり 言うので、生きがいが なくなってしまったよと 言いました。でも、リリーに 何が できるでしょう? 雑草に どこかに 行ってよと 言っても、聞いてくれません。

 そこで、リリーは 思いました。(そうだ。庭師さんが 来るのを 待とう。そろそろ 来るはずだもの。そしたら、この 雑草を 何とか してくれるように たのめるわ。)

 やがて、庭師が やって来ました。庭師は、日光を キラキラと 反射させている すずしい 池を 見て ほほえみ、あたたかい 地面の 上に 広がっている、足元の やわらかい 緑の しばふを ふみしめました。美しい リリーに 目を やると、かわいそうな ことに、くきに みにくい 雑草が からみついています。

 リリーが 声を あげました。「庭師さん。わたしの まわりに のびてきた、この みにくい 雑草を ぬいてくださいませんか? 最初は、育つ ようすを 見るのは 楽しいと 思ったんですけど、そうじゃ ない ことが よく 分かりました。」

 もし この 雑草が のびつづけたら、あわれな リリーは 息が できなく なってしまいます。そこで 庭師は 小さな バケツを 手に 取り、池から しんせんな 水を くんで、それを 雑草の 下の 地面に かけました。しばらくして 雑草の 下の 地面が やわらかく なると、庭師は 注意深く 雑草を 引きぬきました。

 ぶつぶつ 言ってばかり いる 雑草が いなく なったので、小さな リリーは ほっと しました。リリーと 友だちは みんな 大よろこびで、雑草を ぬいてくれた 庭師に お礼を 言いました。

 リリーは、この 幸せな 庭に どんな 種が 育つのか、この 次は もっと 気を つけようと 決心しました。

教訓:いい ものでも 悪い ものでも、くせや しゅうかんは 身に つきやすいものです。自分の 庭に 生えてくる しゅうかんについて、よく 考えてみましょう。

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タグ: 子供のための物語, 習慣やくせ