ゴミ拾い
毎日、ドロシーは おじいちゃんと いっしょに お散歩を します。おじいちゃんは とても 年を 取っているので、つえを つきながら 歩くのも、ゆっくりです。二人は、家を 出ると おかし屋さんへ 向かう 道を 歩き、おかし屋さんに 着くと、今 来た 道を もどります。そして 家に 着くと、また おかし屋さんへ 向かって 歩きます。それを 何度も くり返すのです。時には、行ったり 来たりを 4回も する ことさえ ありました。
そこは 静かな いなか道で、車は たまに 通るくらいでした。
ドロシーと おじいちゃんは、楽しく 話しながら 散歩を する ことも ありましたが、特に 話す ことが ない 日も ありました。そういった 日には、ドロシーは ゆっくり 歩くのが じれったくなりました。そして、散歩以外に したいと 思う ことを いろいろと 考えてしまいました。
ある日の こと、ドロシーは、川の 土手や かきねの 木や 花を 見ていて、ふと 思いました。(道は きれいなのに、そこらじゅうに ゴミが 落ちてるなんて、せっかくの のどかな 風景が だいなしだわ。)
そこで ドロシーは、ゴミ袋と ガーデニング用の 手袋を 持って 散歩に 行く ことに しました。そして、落ちている ゴミを 拾っては、ゴミ袋に 入れていきました。しばらく すると、おじいちゃんも 関心を 持ち始め、ドロシーが 気付かなかった ゴミを つえで 指し示して 教えてくれるように なりました。拾うのが むずかしいような ところに ある ゴミでも、つえで つつき出してくれました。
ゴミ袋が いっぱいに なってくると、道も だんだんと きれいに なってきました。
二人は 毎日、道ばたの ゴミを 拾いました。散歩するのが だんだんと おもしろく なり、ドロシーは いつの 間にか、散歩に 行くのを 待ち遠しく 思うように なっていました。
そんな ある日の ことです。二人は、わくわくするような ニュースを 耳に しました。その 地方で、きれいな 村 コンテストが あり、ドロシーたちの 村が 優勝したのです。
「きっと、おまえが 道を そうじしている ことも 役に 立ったと 思うよ。」と、おじいちゃんが 言いました。
「おじいちゃんも、手伝ってくれているわ!」 ドロシーは ほほえみながら おじいちゃんを だきしめました。「もし 毎日 散歩していなかったら、こんな こと していなかったわね!」