それって、小さな こと?
「わたしも、大きい 子たちが している ことが できたらなあ。」 ロッティーが つぶやきました。「わたしは ゴミ拾いしか させてもらえなかったもの。」
ロッティーは、お父さんと お母さんと いっしょに、公民館から 帰るところでした。明日は 慈善団体の 募金集めが あるので、その 準備を 手伝っていたのです。「大きい子 たちは、貼り紙や、レモネードまで 作ってたわ。ゴミ拾いなんて、ちっちゃな 子が する ことよ。わたしは もうすぐ 6才に なるのになあ!」
家の 前まで 来ると、お父さんが ロッティーに 言いました。「おいで。見せたい ものが あるんだ。玄関の ドアを 見てごらん。」
ロッティーは ドアを 見ました。別に、いつもと ちがう ことは 何も ないようです。
「大きいだろ?」
ロッティーは うなずきました。
「ハハ! だけどね、すごく 小さい ある モノが なければ、この ドアは 開かないって、知っていたかい? 実際、それが なければ、ドアは 全く 役に 立たないんだ。」 そう 言うと、お父さんは ドアの 『ちょうつがい』を 指差しました。その 部品が ある おかげで、ドアは 開いたり 閉まったり できるのです。「これは ドアにとって、すごく 大切な モノなんだ。だけど、近づいて よく 見るまで、気が 付かないだろう? もし この ちょうつがいが ある日 とつぜん、自分の 役目を 果たすのが いやに なって、『ぼくたちは ただの 小さな モノだから、あっても なくても 大したこと ないよね。だから、もう 働くの やめた!』って 言ったと したら、どう なるだろう?」
「家に 入ったり 出たり できなく なっちゃうわ!」 思わず、ロッティーが さけびました。「ちょうつがいは 小さいけれど、大切なのね。」
「その通りよ。」と、お母さんも 言いました。「小さな 仕事だって、同じなの。あなたが している 小さな ことが 大切じゃ ないって 思い始めたら、うちの 玄関の ドアと ちょうつがいの ことを 思い出したらいいわ。」
みんなで 家の 中に 入ると、ロッティーは ほっと しました。小さな ことは、本当は 大切なんだ・・・。
あなたは、自分の している ことなんか 大切じゃ ないと 感じる ことは ありますか? 大切なのは、している 仕事の 大きさでは なく、頼まれた 仕事を どれほど 心を こめて やるか どうかなのです。