カバ君、キリンさんのために お祝いを する
カバ君は、キリンさんのために お祝いを したいと 思いました。キリンさんが ジドルザドル・サファリパークに 来て、今日で ちょうど 1年に なるからです。どんな ことを しようかと 一生けん命 考えて、あることを 思いつきましたが、それを するには 助けが 必要でした。それで、友だちの シマウマ君に たずねる ことに しました。
「ぼく、キリンさんのために、ちょっとした お祝いを 計画しているんだけど、手伝って もらえないかな。」 カバ君が その 説明を しようと した 矢先から、シマウマ君が 口を はさみました。
「お手伝いしたいのは 山々なんだけどね。ぼく、今日は すごく ねむいんだ。」
カバ君は、友だちの ガゼルさんに たずねてみる ことに しました。それで、ガゼルさんが 草を 食べる お気に入りの 場所に 行ってみました。
ところが、ガゼルさんは 大急ぎです。「わたし、今は 止まれないの! また 明日ね! 明日なら 時間が あるかも。」 そう 言って、ガゼルさんは カバ君の そばを ビューンと 走り過ぎて 行ってしまいました。
カバ君は、悲しくなって しまいました。自分だけで やろうと する ことも できますが、準備が 間に 合うか どうかは 分かりません。
すると その時、ダチョウ君が 通りがかりました。「浮かない 顔して、どうしたんだい?」と、ダチョウ君が たずねました。
「ああ、ぼくね、キリンさんのために、ちょっとした お祝いを しようと 思ったんだけど、だれも 手伝ってくれなくて・・・」
すると、ダチョウ君が 言いました。「ぼくが 手伝ってあげるよ、カバ君。君だって、ぼくが うれた 果物を 取れるように、あの 大きな 木に ぶつかって ゆり落としてくれたじゃ ないか。それに、キリンさんは、ぼくの 友だちでも あるしね。」 そう 言って、ダチョウ君は カバ君の かたに つばさを 回しました。
カバ君は ほっとして ほほえみました。そして、計画を 説明しました。
その日の 午後、キリンさんが 歩いていると、友だちの 動物たちが 何かの 周りに 集まっています。一体 何でしょう? そう 思って、キリンさんが ゆっくりと 近づいてきました。
そこには 枝や 石で、「キリンさん、1周年 おめでとう!」と 書かれていました。その すぐそばに、キリンさんの 大好きな 果物や 葉っぱの 山も ありました。
「まあ! 何て やさしいのかしら。」
「カバ君が 用意してくれたんだよ。」 手伝うのを おっくうがっていた ことを はじるかのように、シマウマ君が 言いました。
「ダチョウ君も、手伝っていたわ。」 いそがしすぎて カバ君を 手伝わなかった ガゼルさんも、こうかいしながら 言いました。
「カバ君も、ダチョウ君も、ありがとう。今日は、すてきな 日に なったわ!」と、キリンさんが 言いました。
カバ君と ダチョウ君は、おたがいの 背中を ポンポンと たたきました。お祝い計画は、うまく いきましたね!