マイ・ワンダー・スタジオ
チームで やる ほうが いい
月曜日, 7月 21, 2014

チームで やる ほうが いい

 「今日は、だれが 食べ物を さがしに 行くのを 手伝ってくれる?」 1ぴきの アリが たずねました。

 「はーい!」 「はーい!」 何びきかの 声が あがりました。

 10ぴきの アリが、食べ物を さがしに 行く ていさつ隊として 選ばれ、出発しました。食べ物を 見つけると、巣に 残っている 仲間たちを よんで、巣に 運ぶのを 手伝ってもらうのです。ていさつ隊が 食べ物を さがしている 間、アリの 巣では、ほかにも すべき ことが たくさん ありました。幼虫の 世話を したり、巣の 中を そうじしたり、そのほか いろいろです。アリたちは みんな、せっせと 働いていました。

 けれども、1ぴきだけ、働きたがらない、ジャナという 小さな アリが いました。

 ある日、ジャナは ひとり言を 言いました。「ああしろ こうしろと 言われるのは、もう まっぴら! わたし、自分だけの ほうが うまく やっていけるわ。」

 ていさつ隊が もどると、見つけた 食べ物が どこに あるかを みんなに 教えてくれました。それを 巣に 持ち運ぶためには、たくさんの アリの 助けが 必要です。ジャナは、みんなと いっしょに 食べ物を 集めに 出かけました。

 食べ物を 見つけた ポーチに 着くと、アリたちは パンくずを 集め始めました。

 (わたし、おなかが すいたわ。ちょっと つまみ食いしようっと。巣に 帰るまでなんて、待ちたく ないもの。)と、ジャナは 思いました。

 すると、ジャナが パンくずを 食べているのを 見かけた ほかの アリが、巣に もどるまで 待つようにと 言いました。

 (わたし、ここを 出て、自分で 食べ物を さがしに 行こうかしら。そうすれば、いつでも 食べたい 時に 食べれるもの。仕事も しなくて いいし、だれも、わたしに あれこれ 指図する ことも なくなるわ。)と、ジャナは 思いました。

 ほかの アリたちが できるだけ たくさんの 食べ物を 運んで 巣に 帰る 様子を 見ながら、ジャナは テーブルの 足の 後ろに かくれて、みんなが いなくなるのを 待っていました。

 アリたちが みんな 行ってしまうと、ジャナは かくれていた 所から 出てきて、床に 残っていた ケーキの くずを ガツガツと むさぼり食い始めました。あまりにも 夢中に なって 食べていたので、大きな ほうきが 近づいてくる ことにさえ、気が つきませんでした。気が ついた 時には、ケーキの くずと いっしょに ほうきで はかれて、ちりとりの 中へ まっしぐら。その 後は、ぽ~んと ゴミ箱の 中へ まっさかさまに 落ちていきました。

 ゴミ箱の 中は 暗くて、いやな においが ただよっています。「やっぱり、こんなの、いい 考えじゃ なかったわ。」 ジャナは 悲しそうに 言いました。

 ジャナは、ゴミ箱の つるつるした かべを 上って 出ようと しましたが、上ろうと するたびに、下まで まっさかさまに 落ちるだけでした。何度も 何度も 上ろうと しましたが、とうとう つかれ果てて、悲しそうに すわりこんでしまいました。

 (もし 友だちが ここに いたら、みんなで アリはしごを 作って、あっという間に 外に 出られるのに!)と、ジャナは 思いました。

 ジャナは、だれか 自分の いないのに 気付いてくれたかなあと 思っていました。ちょっと 前までは、自分だけの ほうが うまく やっていけると 自信満々でした。けれども 今は、ほかの 仲間たちと 巣に もどっていれば よかったと、心から 思いました。(夜の 間も、ずっと ここに いる ことに なっちゃうのかしら。) なみだが ぽろりんと ほほを 伝いました。

 「ジャナ! ジャナ!」

 だれかが ジャナを よんでいるのでしょうか?

 ジャナが 見上げると、友だちの キラが ほほえんでいます。

 「あなたが いないのに 気付いて、さがしに もどって来たのよ!」

 ジャナは 目を こすると、もう1度 上を 見ました。そうです、確かに キラです! ジャナは、とても うれしくなって、ほっと しました。

 「わたしを さがしに もどって来てくれて、ありがとう! わ、わたし、この かべを 上れなかったの。ここを 出るのを 助けてもらえないかしら。」

 「心配ないわ! 今すぐ、あなたを ここから 出してあげるわね。」 キラが 安心させてくれました。

 すると、ジャナの 友だちが、アリはしごを 作りながら 下りてきました。ジャナは その はしごを 上って、ゴミ箱から 出る ことが できたのです。

 無事に ゴミ箱から 出ると、ジャナの 友だちは みんな、かけ寄って来ました。そして、ジャナの 無事な 姿を 見て、喜びました。

 「わたし、だれの 助けも いらないと 思ってたわ。だけど、本当は みんなが 必要だと 分かったの。わたしが そこから 出るのを 助けに みんなが もどって来てくれて、本当に うれしいわ。」

 「あなたが 見つかって、本当に うれしいわ!」 ジャナの 友だちが そう 言うと、ほかの みんなも、うれしそうに うなずきました。

 それからは、だれかが 何かの 仕事を 手伝ってほしいと 言うと、ジャナは 喜んで 手伝いを かって出ました。そして、だれかに すべき ことを 言われたり、手伝いを 頼まれた 時、不平を 言う ことは ありませんでした。不平を 言いそうに なる 時には いつも、ジャナは 自分だけで やっていこうとして 失敗したけれど、助けてくれる みんなが いてくれて うれしかった ことを 思い出すのでした。

 「わたしたち、チームで やる ほうが いいわね。」 ジャナは、そう 友だちに 言うのでした。

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タグ: チームワーク