マイ・ワンダー・スタジオ
親切に なろう
月曜日, 6月 20, 2016

親切に なろう

 ビーバー姉妹の ビバリーと ビーが、衣装を 着て 出かける 用意を していました。「見て、お母さん! 仮装舞踏会に 行く 準備が ほとんど できたわ!」と、妹の ビーが 言いました。

 「まあ、二人とも、とても かわいらしいわね! 衣装も すごく すてき!」

 ビーの ドレスは、王女様らしい、幾重にも フリルが 広がった ピンクの ドレスです。ビバリーの ドレスは ラベンダー色で、そこら中に チョウが 止まっているようです。

 ただ、ビバリーは、ドレスの かたひもを 結ぶのに 苦労していました。それに、スカートの 部分が ビーのみたいに ふわっと していないようです。ビバリーは しかめっ面を しました。「ねえ、ビー。頭の リボンが 何か ヘンよ。スカートも、あなたには ちょっと 大きすぎるんじゃ ない?」 内心、ビバリーは 妹に 焼きもちを 焼いていたのです。

 ビーは ハッと しました! それから がっかりして、ひげも しゅんと 下向きに なってしまいました。「そ、そんなに ひどい? わたし、行かない ほうが いいかも。」

 お母さんは ビバリーに 固い 顔つきを すると、ビーの かたを ポンポンと たたきました。「きれいだわ。王女様みたいよ! ふんわりした スカートは、ファッションの 一部なの。リボンだって、自分で 結んだのは 初めてでしょ。とても 上手に できてるわよ!」

 ビーが クスンと 鼻を 鳴らすと、お母さんが 言いました。「こっち側の リボンを ちょっと 直してあげましょうね。ほら! できたわよ。お父さんに 見せてきて ごらんなさい。わたしたちも、すぐに 行くわ。」

 ビーは 喜んで 部屋を 出て行きました。さっきの 心配は、どこかへ ふき飛んでいました。

 お母さんビーバーは ビバリーの 方を 向きました。うで組みを して、さっきよりも もっと ごきげんななめです。「ビバリー。ビーに リボンが おかしいなんて 言うのは、意地悪よ。あなたの 言葉で ビーは がっかりしちゃったじゃ ないの。」

 「べ、別に、そんな つもりで 言ったんじゃ ないわ。それに、リボンが ちゃんと 結べて なかったのは、本当の ことだもの。」

 「だれかが 一生けん命 きれいに なろうと がんばっていたら、ほめて あげる べきよ。ちょっとした 見落としが あれば、直して あげれば いいの。だけど、ほめて あげた 後にね。」

 ビバリーは、お母さんが 最初に ビーを ほめて、その後 リボンを 結び直して あげたのを 思い出しました。

 お母さんは こうも 言いました。「だれかの 気持ちを 最初に 考えずに 何か 言ってしまうのは たやすい ことだけれど、言葉には 重みが あるの。だれかを 元気付けたり する ことも できれば、がっかりさせてしまう ことも あるのよ。ビーの 側に なって、考えて ごらんなさい。もし だれかが 同じ ことを あなたに 言ったと したら、どう 感じるかしら?」

 ビバリーは、一生けん命に デザインして 作った ドレスに ケチを 付けられたら どう 感じるか、考えて みました。「がっかりするわ。」 ビバリーは 自分が はずかしく なって、もごもごと 答えました。

 「妹に 意地悪する つもりじゃ なかったのは 分かるけれど、これからは、黄金律を 考えて みてね。それが 何だったか、覚えてる?」

 「『人に してもらいたいと 思う ことを、人にも しなさい』ってこと?」*1*

 「その 通りよ!」

 「お母さん。本当の ことを 言うとね、わたし、自分の ドレスで やきもきしてたの。かたひもが きちんと 結べなくて、いらいらしてたのよ。だから、ビーに 八つ当たり しちゃったの。」 ビバリーが 小声で 言いました。

 お母さんビーバーは ビバリーを やさしく だきしめました。「あなたの ドレス、すてきよ。自分で デザインしたなんて、感心しちゃったわ。チョウも、まるで 本物みたいだし! かたひもを 直して あげるわね。」

 お母さんは、ビバリーが 衣装を 着こなすのを 手伝って あげました。やがて ビバリーは 気を 取り直し、お母さんと いっしょに、お父さんと ビーが 待っている 1階へ 下りて行きました。

 ビバリーは、すぐ ビーに あやまりました。「さっきは 意地悪を 言って、ごめんね。本当は、ビーが すごく すてきだったから、うらやましかっただけなの。」

 ビーは おどろきました。「でも、ビバリーだって すてきじゃ ない!」 二人は 笑って、くるくる 回りながら 自分たちの スカートを 見せ合いました。

 仮装舞踏会には、ビーバータウンの ビーバーたちが みんな、最高に すてきな 衣装を 着て やって来ました。ビーバー姉妹は わくわくしました。食べ物の 屋台には、お菓子や 果物が 並んでいます。マジックショーでは、ビーバーが 消えたと 思ったら 舞台の 反対側に あらわれる、という ショーを やっていました。ビバリーと ビーは その イベントを 最初から 最後まで、心行くまで 楽しみました。だれかと いっしょだと、楽しみは より いっそう 大きく なる ものです。

終わり

聖句:終わりに、兄弟たち、すべて 真実な こと、すべて 気高い こと、すべて 正しい こと、すべて 清い こと、すべて 愛すべき こと、すべて 名誉な ことを、また、徳や 称賛に 値する ことが あれば、それを 心に とめなさい。(新共同訳聖書、フィリピの 信徒への 手紙 4:8)

*1* 新共同訳聖書、ルカによる 福音書 6:31

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タグ: 親切と礼儀, 子供のための物語