マイ・ワンダー・スタジオ
スポーツマン精神とは
月曜日, 6月 27, 2016

スポーツマン精神とは

 休み時間の ことです。ジョディーは、友だちと 野球を していました。

 「アウトだよ、ジョディー!」 ティオが さけびました。「かみの毛に タッチしたからね。」

 「そんなの、ないわ! かみの毛に タッチしたなんて、だめよ!」 ジョディーは おこって さけびました。

 「タミー先生。」ティオが、その時 子供たちを 見ていた 先生に たずねました。「ジョディーの かみの毛に タッチしたんですけど。アウトに なりますか?」

 「じゃあ、いったん 試合を 中断して、ルールを どうするか、見直しましょうか。」 タミー先生が 提案しました。

 子どもたちは、今日 やる 試合の ルールを どうするか、話し合い始めました。

 「かみの毛は、体の 一部です! そうで なきゃ、服に タッチしても だめっていう ことに なると 思うんですけど。」と、ティオ。

 「だけど、わたしの かみの毛は 長いから、すぐに タッチされちゃうわ。それだと、つかまってばかりじゃ ない。」

 「こういうのは どう、ジョディ。」 友だちの メリッサが 言いました。「かみの毛を まとめれば、すぐに タッチされないわよ。そうすれば、かみの毛に タッチで アウトに できるわ。」

 「分かったわ。タミー先生に 手伝ってもらうわね。」と、ジョディ。

 いったん ルールが 決まると、試合が 再開しました。それでも ジョディは おもしろく ありません。走るのが あまり 速く ない 上に、ホームランも 打てないので、やっぱり すぐに アウトに なってしまうだろうと 気がかりなのです。次の バッターが ヒットを 打ったので、ジョディは 本るいを 目指して 一生けん命 走りました。でも、どんなに 速く 走っても、やっぱり ダニーが ボールを キャッチするまでには 間に 合わず、アウトに なってしまいました。

 「アウトだよ、ジョディ。」と、ダニーが 言いました。

 「ダニー! どうして わたしが アウトなの? ほかにも だれか いるじゃ ない! わたし、もう プレーしたく ないわ!」 ジョディは おこって さけびました。

 「だけど、それじゃ フェアじゃ ないよ!」と、ダニーが 言いました。

 「とにかく、この 試合は つまらないから、わたしは ほかの ことを するわ。」 そう 言うと、ジョディは プンプン おこって 行ってしまいました。そして、運動場の すみの ベンチに すわりました。

 「どうしたの、ジョディ?」 タミー先生が たずねました。

 「また アウトに なっちゃったの! それで、もう やりたく ないって 言ったら、ダニーが、それじゃ フェアじゃ ないって 言うのよ。わたしは ただ、本るいまで 走りたかっただけなのに!」

 「ジョディ。みんなと 試合を する 時は、良い スポーツマン精神で のぞむ ことが 大切よ。つまり、いっしょに 仲良く プレーできて、ルールを 守り、勝っても 負けても、いさぎよいって ことね。」と、タミー先生が 説明しました。

 「だけど、負けるのは 楽しく ないわ。ホームイン できない 時もね! きまり悪いもの!」

 「分かるわ。わたしもね、若いころ 学校で 初めて バレーボールを やった 時は、ボールを 受けそこねるか、強く 打ち過ぎてばかりだったの。それで すごく きまり悪く なって、プレーしたい 気分じゃ なくなったのよ。ミスばかり するのが はずかしくて、やめたく なったの。だけど、コーチが、練習し続けてごらんって、いつも はげまして くれたの。ミスなんか 気に しないで、上達できるよう 練習し続ける ことだけを 考えなさいってね。

 それで しばらく 練習し続けて いたら、だんだんと 上手に なってきたのよ。最高に 上手な プレーヤーでは なかったけれど、それでも 満足することを 学んだわ。だから、たとえ 勝てなくても、思い通りに プレーできなくても、楽しむことは できるのよ。」

 「まあ! わたしって、スポーツマン精神が なって なかったのね。チームにとっても、いいメンバーじゃなかったわ。」と、ジョディ。

 「でも、今からでも おそく ないわ。また やってみたら いいじゃないの。お友だちの 所へ 行って、話してみたら? それと、これは ただの 試合で あって、一番 大切なのは 勝ち負けじゃ ないって ことを わすれないでね。友だちと いっしょに 楽しく やって、いい 運動に なれば いいのよ。正しい 心がまえで 良い スポーツマン精神が あれば、みんなも いっしょに やってて 楽しいし、きっと あなたも 楽しく なるわ。」

 「ありがとう、タミー先生。わたし、がんばってみるわ。」

 ジョディは みんなの 所へ もどって行きました。

 「わたし、さっきは あまり いい チームメイトじゃ なくて、ごめんね。おこって じだんだを ふんだりするべきじゃ なかったわ。また いっしょに プレーしても いいかしら?」

 「もちろんだよ、ジョディ! ぼくたちの チームは 今、守備側なんだ。ジョディは 2るいを 守ったら いいよ。」

 「分かったわ。」 そう 言うと、ジョディは 自分の ポジションに つきました。

 試合が 進むに つれ、ジョディは、自分が ミスした ことや 思い通りに 行かなかった ことは 気に せず、試合の 楽しい 部分を 考えるように していたら、本当に 楽しく なってきた ことに 気付きました。何度も ボールを 落としたり、転んだり、ミスしたりは しましたが、チームの 助けに なる プレーも しました。試合では 勝てなかったけれど、終わった 時には、だれも 思って いなかったくらい、ジョディは 満面笑顔でした。

 「いい 試合が できて、みんな、ありがとう。いっしょに プレーできて 良かったわ!」 運動場を 後に しながら、ジョディは 友だちに 言いました。

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タグ: 子供のための物語, スポーツマン精神